最愛の妹が殺害された。愛知県警勤務の和泉康正はその死に疑問を抱く。所轄署は自殺と断定したが、一人行った現場検証の結果、妹が自殺ではない証拠を見つけ出す。妹の親友と妹のかつての恋人という2人の容疑者を割り出した和泉は真犯人に迫ろうとするが…。最後まで読者には犯人が明かされない、謎解きを盛り込んだ異色作。文庫本には謎解き解説の袋とじ付き…そこまでする?
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。主な著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。
謎解きゲームが読者に課せられラストまで続き、しかも解答が記されていない!という異色のミステリー。96年ノベルズ版発刊時は出版社に問合せが殺到したって…これは笑えるじゃないですか。ということで読んでみました。
容疑者はたったの2人、ラスト主人公は 『犯人』 を確信したというのに…やっぱり私も判らなかった。出版社に電話するか?いやいや待て待て。
殺されたのは妹、容疑者はその妹の元恋人である佃と、妹の親友であった弓場。なーんとなくこっちか?と思った方で合ってはいたものの、トリックの見破り方が全然違いました…やっぱり判ってなかった。細かーい点まで見なくちゃならなくて、まるで名探偵コナンのようでした。コナン君レベルのすげえ観察力が求められます。
正直かなり疲れました。たまにならこういうゲーム形式の小説も面白いかもしれないけど、読者としてはしっくり来ないし私には向かないです。答えはインターネットで探して個人の方のブログをいくつか拝見しました、いい時代になったもんだ。
96年頃が舞台の、携帯を持つ人も少なくナンバーディスプレイもない、という時代背景もまた重要なポイント。時代が変われば犯罪も変わりますね。
評価:(5つ満点)