15歳の著者は暮らしの中でいろんな人たちとふれ合い様々な出来事に出会う。そこで感じ考えたことを少女らしい伸びやかな文章で綴る。webちくま連載に加筆、書籍化。
(華恵)1991年アメリカ生まれ。6歳から日本に住む。10歳からファッション誌のモデル、女優として活動。2000年、2001年と全国小・中学校作文コンクール東京都審査・読売新聞社賞を連続受賞、2002年、全国小・中学校作文コンクール文部科学大臣賞を受賞。2003年にこれらをまとめた 『小学生日記』 を刊行。著書に 『本を読むわたし』 『ひとりの時間』 『キモチのかけら』 がある。
華恵ちゃんの著作3作目。前2作の高い評価からかなりの期待で読み始めましたが、残念ながら本作は前2作ほどの勢いがない。web連載だったそうで、おそらく読者それも自分よりも年上の読者を強く意識し過ぎていたのか、言葉を慎重に選んでいる感じでリズムがあまり感じられなく、正直読んでいてあまり面白くなかった。
それがあまりに残念で、友人に
『3冊目はあまり面白くなかったよ…』 と話すと友人は
『書きたくて書いた文章と書かされた文章じゃやっぱり違うんじゃない?』 。なんという的確な書評!その通りだと思います、webちくま連載は華恵ちゃんにとっては
【仕事】だから。小学生日記時代に出てきた2番目のお父さんのことやお兄ちゃんモトイ君のことも非常に気を遣って書いたりわざと書かなかったりしているように感じました。それだけ華恵ちゃんが配慮のできる、大人になったということなのでそれはとても喜ばしいのですが…。
読者としては小学生日記の衝撃をもう一度味わいたい!と思ってしまうのです。それがもう小学生ではない著者に求めるのは違っているということも分かってはいるのですが。もちろん普通のエッセイとしても著者が若干15歳だということを踏まえても、本作は上質なエッセイであることには違いないのですが。
評価:



(5つ満点)
PR