東京で暮らせるのであればなんだってよかった。20歳の知寿は一人暮らしをする遠い親戚の71歳の吟子さんの家に居候をすることになった。2人が共に過ごした春夏秋冬を通じ、主人公の自立を描く。第36回芥川賞受賞作。
(青山七恵)1983年埼玉県生まれ。2005年 『窓の灯』 で第42回文芸賞を受賞。
芥川賞受賞時に審査員である石原慎太郎と村上龍、いつもは正反対の意見を散らす2人が揃って絶賛したということで話題に上った本作。文芸春秋を買っておいてから早数ヶ月、やっと読みました。
正直期待ハズレでした…主人公知寿(ちず)の人間性があまりにも薄っぺらい。彼女は自己実現したいと願いつつも実際にそのことについて本気で考えようとしないため、一歩どころか半歩も人生進まず。まだ20歳だというのに枯れており、悲しいです。
そんなつまらない女の子の毎日をグダグダと聞かされていてもちっとも面白くない。
確かにどんな人にも鬱屈した気持ちや嫉妬はあるものですが、それを自分で認めて自分の中で消化して、そこから一歩踏み出そうとする気持ちも動きも、知寿にはまーったくと言ってない。そんな人生でいいのか若人よ。かといって好んで退廃的な生活をしているというわけでもなさそうだし。
自分の人生は自分でけじめをつけましょう、という教訓ですかねこれは。いや違うかな。
評価:


(5つ満点)
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