東京のはずれに位置するまほろ市。東京なのに東京ではない田舎町。ヤンキーが夜な夜な集会をするまほろ。この街の駅前で多田はひっそり便利屋をやっていた。ある日高校の同級生だった行天が着の身着のまま転がりこんできて、便利屋稼業は2人になった。第135回直木賞受賞。
(三浦しをん)1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。本書で直木賞受賞。主な著書に 『私が語りはじめた彼は』 『しをんのしおり』 『三四郎はそれから門を出た』 『光』 など。
yomyomで三浦しをんの取材エッセイがなかなか面白いのです。この人の感覚はなかなか私に合っているかもしれない。と今まで読んで来なかった三浦しをんを読んでみるか。ということでやっぱりまほろ駅前からでしょう。とようやく読了しました。読み終わってからもしやこれがBLってヤツか?とも思ったけどイマイチピンと来ない、BL。これは違うかも。
コミカルな中に悲哀を込めた作品。章の扉にマンガの挿絵があるのだがこの効果のほどは…?多田も行天もどちらも妙にカッコよく描かれてるし。もしや多田でも行天でもなく、単に扉絵は扉絵の人、なのか?とか訳分からん思考にも入り込みそうになったし。
便利屋が出会う、日々何でもなさそうな出来事に、突如として麻薬取引や契約結婚や乳児突然死という事件が入ってくる。そして人生は誰にとっても決して平凡なものではない、というストーリー。この展開をご都合主義と取るかは読者次第であるけれども、私はいいと思いましたね。何と言っても三浦しをんの文章がなかなかいい、正しい日本語を書く作家は好きです。
評価:




(装丁もいい)
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