まゆはやまんばの娘。やまんば母さんと一緒に北のお山の三本杉の下の家に住んでいる。ふもとの村の人間の子ども啓太はまゆと仲良くなり、まゆとやまんばと一緒に山に暮らす様々な妖怪達 『モッコ』 と一緒に冒険を繰り広げる。『まゆとおに』 『まゆとりゅう』 などまゆの絵本の原作。富安陽子 作、降矢奈々 画。
(富安陽子)1959年東京都生まれ。和光大学人文学部卒業。『クヌギ林のザワザワ荘』で日本児童文学者協会新人賞、小学館文学賞、『小さなスズナ姫』 シリーズで新美南吉児童文学賞、『空へつづく神話』 でサンケイ児童出版文化賞、『盆まねき』で野間児童文芸賞、産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。『やまんば山のモッコたち』 はIBBYオナーリスト2002文学作品に選出。著書多数。
(降矢奈々)1961年東京都生まれ。チェコスロバキアのブラチスラバ美術大学で版画を学ぶ。スロバキア在住。画家 降矢洋子は母、画家 アンヴィル奈宝子は妹。主な作品に 『めっきらもっきらどおんどん』 『ともだちや』 『ちょろりんのすてきなセーター』 『ちょろりんと とっけー』 『きょだいな きょだいな』 『まゆとおに』 『まゆとりゅう』 など。私が最も愛する絵本作家の1人。
長年読まねばと思い続けてきた本作、第2王子に読み聞かせをして読了しました。そうかそうすれば良かったんだ、私も読めて第2王子も読めて一石二鳥とはまさにこのことだ!とか今更ながら何言ってんだか。
やまんばとその娘 まゆの物語。絵本では出てこない人間のお友達、啓太が大活躍します。まゆは物語ではついこの前生まれたばかり、でも飛んだり跳ねたり走ったり、重い物持ったり空飛ぶ雲(
筋斗雲か!?)に乗り回ったりできます。啓太もよい子なので一緒に空飛ぶ雲に乗ることができます。その2人がやまんばと楽しく暮らす物語。
やまんばはやはりかなりワイルドなお母さんで、沼に住むカッパ達の女王と相撲対決をして勝ったり、世にも恐ろしい雪女と真っ向タイマン張ったり、本当に頼りになるお母さんです。恐ろしい雪女の元へもまゆを信じて行かせるところとかも素敵。すべてにおいて自信に溢れ、自分の腕一本でまゆを守ろうという強い意志に溢れており、まさに理想の母親像ですね。
様々なエピソードがあり楽しいのですが、私が一番好きなのは山の貯蔵庫(冷蔵庫)のお話。冬に備えて食糧を溜めておいて、保存食も作っておいてそれを取りに行く時の楽しさ。その大事な食糧を使ってまゆのお誕生日パーティをする話もすごく楽しいです。って要するに食べることばかり?
(追記)本作は少し前の作品のためか日本語がやや難しいです。小学校高学年でもかなり本に親しんでいる子どもでなければ読了は難しいかもしれません。つまり昔の子どもはこうしたちゃんとした日本語の本をしっかり読んでいたわけですね。
評価:




(たくさんのまゆに会えます)
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