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わたしたちが孤児だったころ*カズオ・イシグロ

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上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは10歳で孤児となった。貿易会社勤めの父と反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。ロンドンの伯母の元に帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる第2次大戦下の上海へと舞い戻るが。記憶と過去を巡る一人の探偵の冒険譚。
(カズオ・イシグロ)1954年長崎県生まれ。5歳の時父親の仕事の関係でイギリスに渡る。ソーシャル・ワーカーとして働きながら執筆活動を開始。著書にブッカー賞受賞作 『日の名残り』 『わたしを離さないで』 など。


カズオ・イシグロの代表作と言われる本作、 『私を離さないで』 に感銘を受けた私は読んでみたのですが。ミステリーと思わせておいて実は…という作品で、読了後かなりの重苦しさが残ります。私にはシビア過ぎました。

列強の支配下にあった中国、上海の描写はとても魅力的に書かれているのですが、社会の最も見たくない醜い部分、偽善の部分をこれでもかと押しつけてきます。社会にはびこる様々な偽善について問われると、その答えを探すのに相当な覚悟が必要です。バンクスの立場、父と母の立場、周囲の人々の立場。複雑な環境で繊細に育ったバンクスが、上海に戻り見た風景は。

主人公バンクスのこれからの人生が、本当に心配です。ひたすらに、重いです。

評価:(5つ満点)
 

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