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アニマシオン

img20060323.jpgアニマ(anima)は魂・生命です。アニマシオン(animacion)はその魂・生命に息を吹き込み、生き生きと躍動させることです。 (増山均 『読書で遊ぼうアニマシオン』 柏書房 より)

 アニマシオンの元の意味は上記の通りだが、これを読書活動と結びつけたのがスペインのジャーナリストM.M.サルトであり、サルトが提唱した 『読書へのアニマシオン 75の作戦』(柏書房)はその成果をまとめたもの。
この動きに啓発され日本国内でも多くの教育関係者が読書啓発活動の一環として行っているのが 『読書へのアニマシオン』 活動であり、本を1つの題材と捉え従来の読み聞かせのみではなくゲーム、クイズなど遊びを盛り込んだ形で本と親しむことを目的とした手法を指す。


今回学校司書の仕事を頂いて一番勉強になったのがこの 『アニマシオン』 の存在を知ったことと、そのために授業案企画をし、実際に授業として行ってみたことです。最初に担当校から活動案を頂いた際 『読み聞かせ、ブックトーク、アニマシオンなど』 とあり、『アニマシオンって何?』 と慌てて調べて得た情報が上記の通り。

特に定められた手法はなく、一冊の本を題材としてゲーム感覚で遊びながら親しむことで子ども達への本への興味・関心を高めようという運動から起こった、比較的新しい読書法です。
4冊の画像のうち上2冊はサルトの著書の邦訳とそれに実践した例を抜粋して載せたもの、そして下2冊はサルトの考えに啓発された現場の先生方が実際に生み出したオリジナルのアニマシオンの手法が載っている本です。

img20060323_1.jpg最初は見よう見マネ、とにかく本に載っている事例からやってみようと、私にとって 『はじめてのアニマシオン』 となったのが 宮沢賢治 『注文の多い料理店』 を題材にした 『13の扉』
1) 物語中に出てくる扉は7枚。しかしそれぞれ表と裏にそれぞれ違う言葉(注文)が書いてある。
2) この言葉をカードにし、バラバラにした状態で各グループに配布する。
3) グループ毎にカードに書かれている言葉を順番通りに並べてみる。

実際にやる時には、アニマドール(アニマシオンのリーダー)は最初の扉の表に書かれている言葉までを読み聞かせします。そして子ども達に考える時間を与えて、最後に答え合わせとして読み聞かせを続けて行います。

この 『注文の多い料理店』 はやや難解で15分以上かかる長いお話なのですが、子ども達の反応はかなり良かったです。結構夢中になって順番を考え、答えあわせで読む際にはおしゃべりしながら 『当たった!』 『違った!』 と真剣に本を見る様子に嬉しくなります。また選書も当たりました。パロル舎の 『注文の多い料理店』 。あまり考えずにこの本を選択したのですが、後々色々な出版社のものを見てみると全ての扉の絵が書いてあるのはこのパロル舎のものだけでした(今のところ見た分ではです)。
今回はたまたまラッキーでしたがこうした多くの出版社から出ている本については同じ題材の本でも選書も十分に行うことが必要です。

アニマシオンの目的はゲームではなく、最終的にはその本の読み聞かせに集中させることです。そのためのゲーム、クイズという手法になります。この作戦はさすが、現役の小学校の先生のアイデアということで完璧な作戦でした。私は5、6年生対象に3回もやってしまいました。

次に同じく本の事例からやったものは、いわむらかずお 『14ひきのあさごはん』 を題材にした『このこはだあれ』。クイズです。

img20060323_2.jpg

しかしこれはちょっと失敗、1年生向きにやったのですがクイズが難しすぎたのと問題数が多すぎた。また1年生ではまだクイズに外れるとものすごくくやしがり泣き出してしまう子もいたので、もっと簡単にするべきでした。クラスが30名強ということで問題は15問作成し、10cm四方のカードにします。毎回使えるようにラミネートをしておくと持ちがいいです。
1) 一度通しで本を読み聞かせ。
2) これからクイズをすることを説明。カードを配布し2人1組で考えるように促す。
3) 登場人物のねずみの14ひき家族全員のプラカードを示し確認。
4) クイズの番号順に答えていく。
5) 答え合わせとして最後にもう一度読み聞かせをする。

このように最初と最後に読み聞かせをしなければならない場合は、なるべく短い本を選択しなくてはなりません。またクイズが難しすぎてもいけません。もう少し上の学年を対象にするか、問題数を減らし問題内容も簡単にする必要があると感じました。せっかくクイズ用カード作ったのに1回しかしてない…。

img20060323_3.jpgこうした反省を踏まえ、やっとオリジナル(というほどでもないですが)でやったのが降矢なな 『めっきらもっきらどおんどん』 を使った 『これ誰のもの?』 です。原案はサルトの事例にあるものですが、登場人物達の持ち物や服について誰の物かを考えるクイズ形式のもの。

この本は事前に同じくクラスでは読み聞かせをしていたので、みんなに覚えているかどうかを聞くと 『覚えてるー!』 ということで早速やってみました。
1) 登場人物4人が出ているシーンだけを最初に確認のため見せる。
2) 持ち物カード(全10枚)を順番に子ども達に提示。配布済みのプリントに回答を書いていく。回答用紙には4人の登場人物の名前を一番上に記載しておく。
(かんた、しっかかもっかか、おたからまんちん、もんもんびゃっこ)
3) 全員がカードをゆっくり見終わったところで次のカードへ。以下繰り返す。
4) 最後に答え合わせとして読み聞かせを行う。

今回は前回の反省を活かし、 『答えは1つじゃないよ、どっちも正解だよ』 としました。例えばかんたが、おたからまんちんと交換するビールの王冠は誰の物?答えは 『かんた』 でも 『おたからまんちん』 でもどちらでも可とします。そうすると子ども達はホッとした顔をするのです。『間違ってもいいんだよ~』 と今回も散々言っていたのですが、やっぱり子どもは答えが合っていると嬉しいものなのですね。

今回解答用紙を作成したのは、持ち帰りおうちの人にも見て欲しい、という思いからです。もっともっと家庭との連携が必要だなといつも思います。
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