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アンネ・フランクの記憶*小川洋子

annekioku.jpg初めて読んだ時に憶えた感動。それ以来幾度となく読み返してきた 『アンネの日記』 。自身が作家となるきっかけとなった本書を胸に、小川洋子がたどるアンネの足跡。生誕の地であるドイツ・フランクフルトから隠れ家生活を送ったオランダ・アムステルダム、終焉の地となったポーランド・アウシュビッツまで。アンネと縁のある地と人々との触れ合いを通じて小川洋子自身が感じたアンネ・フランクの生涯を綴る。
(小川洋子)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 『揚羽蝶が壊れる時』 で海燕新人文学賞、『妊娠カレンダー』 で芥川賞、『博士の愛した数式』 で読売文学賞、本屋大賞を受賞。主な著書に 『ブラフマンの埋葬』 『薬指の標本』 など。


小川洋子の原風景は 『アンネの日記』 にあると言う。そう自覚し、明言できる小川氏が本当に羨ましい。人生で起こる素晴らしいことのうちの1つが、『これが自分の本』 だと言える本との出会いだと、つくづく思うからです。

小川氏は十代の頃アンネの日記を繰り返し読み、アンネを誰よりも身近に感じてきたと言います。アンネの綴った言葉で表現されている 『文章で、言葉で自分の想いを伝えたい』 という彼女の強い意志が、小川氏を小説家にしたのだと氏は言っているのです。自身の原風景である本書の背景を探るため、小川氏はコーディネーターと一緒にアンネを訪ねる旅に出ます。本書はそのドキュメンタリー記録です。

評価:(5つ満点)

アンネの足跡をたどることで、アンネが単に歴史上の人物ではなく現実に生きた1人の少女であったこと。フランクフルトに生まれ、アムステルダムに育ち、そしてアウシュビッツで生涯を終えた事実。これを小川氏自身が実感し、感じたままを伝えようとする真摯な想いが伝わってくる一冊でした。

アンネを直接知るミープやヨーピーとの出会い、面会、そこで得られた2人の人柄が、小川氏の目を通じて私達読者にも深い感動を与えてくれます。知識として知っていたはずのアウシュビッツも、小川氏の目を通じて読むとありありと情景が浮かぶようで、恐ろしさを感じました。

歴史とは単に史料に記録されたものでは決してなく、私達と同じく日々を生きていた人々が紡いできた日々の積み重ねなのだ、ということを深く感じさせてくれる一冊です。
中高生はもちろん大人の方もぜひご一読を。

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