目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、そして最後に明かされる真相。80年代を舞台にほろ苦くてくすぐったい恋愛ドラマ…だったはずが最後の2行ですべてが覆る。大仕掛けがメインの小説。
(乾くるみ)男性。1963年静岡県生まれ。静岡大学理学部数学科卒業。 『Jの神話』 でメフィスト賞を受賞。他の著書に 『匣の中』 『塔の断章』 など。
まず著者乾氏は男性、だそうです。ペンネームも女性的だけど、こんな本を男が書いたのか…という意味でもゲッソリ来るような、内容です。最初に申し上げますが、本当に読書がお好きな方は読む必要がないですよ。内容としてはほんっとうにつまらない本です。しかしあえて読んだのは、ラスト2行ですべてがひっくり返る、というこの本の大仕掛けを見てみたかったからです。いったい何がラスト2行なのか…で絶対に最後の2行を先に読んではいけません。読んだらもう、絶対読みたくなくなるから(笑)。
という長い前書きは置いておいて、SIDE AとSIDE Bという2つのストーリーがあります。正直SIDE Aはものすっごくつまらないですが、我慢我慢して読んでください。それもラストの大仕掛けのため。そしてSIDE Bに入り徐々に感じてくる数々の違和感、その正体が段々と明らかになってきて…。
私は文庫版を読んだので、最後に解説が付いていて本当に良かったです。この解説がなかったら今でもこの小説の意図が分かってなかったと思います、解説の方本当にありがとうございます。あったまいい方は目次で分かるのでしょうね、このトリック。本書はトリックそのものを楽しむ小説なので人物描写とかかなりステレオタイプですが、そういうことを突っ込んではいけません。これは小説ではなくゲームだと思って読み進んでください、ですから小説としての評価は低いですが、こういうエンタメもたまには面白いかな、と思います。
評価:



(つまり小説としての評価は2ってこと?)
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