我が家は6人家族で大変なんだ。父親が4人もいるんだよ。しかもみんなどこか変わっていて。ごく普通の高校生だが由紀夫には4人の父親がいる。個性の強い父親達と共に暮らす由紀夫がある日おかしな事件に巻き込まれていく。河北新報ほか新聞連載に加筆修正。
(伊坂幸太郎)1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『オーデュボンの祈り』 で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。『アヒルと鴨のコインロッカー』 で吉川英治文学新人賞、『死神の精度』 で日本推理作家協会賞短編部門、『ゴールデンスランバー』 で本屋大賞、山本周五郎賞を受賞。主な著書に 『ラッシュライフ』 『チルドレン』 『魔王』 など。
装丁のこのお人形は、小川洋子
『猫を抱いて 象と泳ぐ』 と同じ装丁家でしょうか。同じでしょうね。
さてまたも映像化を激しく意識している?と思わせてしまう伊坂作品ですが、今回は由紀夫というキャラクターが確立しており、4人の父親の役割分担もハッキリしていたのでとても読みやすかったです。母親はずっと不在なのですがもしかして死んでるとか…と思っていたのですが、ラストになり長期出張から帰ってきます。死んでなかったのか。ライトノベル的な事件の展開ではありますがそこがまた小気味よく、テンポよく、さすが新聞小説。キャラが立ってるというのは本当に大切なのですね。
4人の父親のうち誰が一番好きか?と聞かれたら、うーん誰かな?どれも一押し足りないな…と思わせる描き方がやっぱり、巧いのかも。父親達はやっぱり4人揃って父、なんですね由紀夫の家の場合。
評価:




(5つ満点)
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