セレモニー黒真珠は小さな葬儀屋。笹島はかつてウエディングプランナーとして手腕を振るっていたが正反対のこの業界へ入ってきた。ある日ワケアリなアルバイト妹尾がやってくる。彼女は 『誰か』 が来るのをこの葬儀屋で待っていると言う。ダ・ヴィンチ10月/11月号掲載。
(宮木あや子)1976年神奈川県生まれ。 『花宵道中』 で 『女による女のためのR-18文学賞』 大賞と読者賞を同時受賞しデビュー。
前後編分かれているとはいえ短編の本作で、途中途中挿入される一人称の 『私』 が笹島なのか妹尾なのか一瞬分からなくなる、これはウマイと思った。かつてウエディングプランナーとして誇りも自信も持っていた笹島が、ある出来事をきっかけに華やかな業界を去り、正反対の葬儀屋という職業に就く、そしてそこでも手腕を発揮するあたりは設定も展開もマンガ的だけど、それがかえって葬儀屋という舞台を暗く見せず合っていると思う。
妹尾がセレモニー黒真珠にわざわざアルバイトとして入社した動機も読者を驚かせるには十分。そして終わり方もスマート。なかなかな作風。ますます前々から読みたいと思っていた 『花宵道中』 読みたくなりました。しかしこれ、 『女による女のためのR-18文学賞』 なもので、どこの図書館探してもやっぱりないんですよね…買うしかないかな。
評価:




(5つ満点)
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