ある暑い夏の日。ミニトマトたちが小川へ泳ぎに行く様子を見て真っ赤なトマトさんも泳ぎに行きたくなった。でも体が重たいので転がることができない。涙を流すトマトさんをみんなで転がしてあげようと虫たちやとかげたちが集まってきた。
(田中清代)1972年神奈川県生まれ。多摩美術大学油画・版画専攻卒。絵本に 『みずたまのチワワ』 『おきにいり』 など。
夏の定番絵本、トマトさん。トマトさんが川へ行きたいのだけれど自分では動けない、と言って大粒の涙を流すようすがたまらなく、いい。このビッグな表情もいい!
最近の絵本はストーリー性を重視したものや、細かい描写にこだわったものが多く見られます。もちろん子どもと大人が1対1で読んでやる時や、絵本好きの大人の方には適しているものも多いけれど、そういった絵本は複数人に向けて行うお話会では向かないのは事実です。お話会に向いている絵本を的確に判断し、それを子ども達に提供していく、お話会を運営する大人の大切な使命です。
…という小難しい理屈は抜きにして楽しめる絵本、が実はお話会に一番適した本でもあった、ということなのです。
評価:




(5つ満点)
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