どうでもいいって言ったら、この世の中本当に何もかもどうでもいいわけで、それがキミの思想そのものでもあった。ニートとなった元彼の面倒をみることとなった私。なぜか生きにくい現代を生きる人々を描写した短編集。初出 『i feel』 『野性時代』 『新潮』 。
〈糸山秋子〉『イッツ・オンリー・トーク』 で文学界新人賞、『袋小路の男』 で川端康成文学賞、『海の仙人』 で芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、『沖で待つ』 で第134回芥川賞受賞。
(収録作品)ニート/ベル・エポック/2+1/へたれ/愛なんかいらねー
候補に何度も上がりながら受賞を逃していた(という言い方が適当かどうか不明ですが)芥川賞を先日受賞したことで記憶に新しい糸山秋子氏、『糸糸』 山秋子、と書くのが正しいのですが、この 『糸2つ』 の漢字は機種依存文字ですので記載ができません。オンライン書店でも 『糸山秋子』となっております。
という前置きはいいとして、短編を5篇入れておりますが…うーん。まぁ読まなくても可。ですね。一番良かったのは 『ベル・エポック』 ですね。親友と思っていた彼女にも、自分に言いたくない新しい未来があるのだと、そしてそれを受容するのが本当の友情だと自分は思う。という内容。潔いですな。私ならブツブツ言っちゃいそうだけど。
表題の 『ニート』 という題に惹かれてこの本を読んだわけですが、『ニート』 とその続編にあたる 『2+1』 どちらもあまり共感できる部分がありません…ということで私はニートにはなれそうもない、と思ってちょっとホッとしたりしなかったり(?)。あまりにも自己肯定が過ぎるとニートになるのか?自分だけが善で他者が全て悪と思うとそうなってしまうのか?それともそんなことは考えないからニートとなってしまうのか?
いずれにしてもニートはニートであることを選択している、という内容が書いてありますが、やっぱりそうは思えないのでありました。
評価:


(5つ満点)
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