
フランス映画は久しぶり。ハリウッド映画と違ってうるさいバックミュージックがほとんどないし、むしろ静か過ぎる印象。フランス語は 『ウィ』 しか分からなかったし(笑)。
事前に得た雑誌などのからの情報では、予期せぬ妊娠をして傷ついている十代の主人公、クレールに周囲の人々は優しいだけなのかと思ったら、そうではなかった。
周囲の人々もみんなそれぞれ辛い想いを抱えながら生きていて、他者を拒絶したいと思っている中、それでも人はやはり人によってでしか救われないのだということを伝えたかったのだと思うのです。
クレールは
『匿名出産』 を希望しています。フランスでは古くからあり、出産には一切の費用がかからず
『マドモアゼルXの出産』 とも言われており、生まれた子どもをすぐに養子に出すという制度だそうです。多くの迷いがある中、最後は自分の決断で子どもを養子に出すかどうかをクレールは決断します。
そこに至るまでに多くの人々との関わりが関係してくるのだけれど、それはすべてクレール自身が働きかけ、そして得た人間関係なのです。
そう、つらいからと言って自分の殻だけに閉じこもっていては、何も解決にはならないのです。
クレールは最終的に愛する刺繍職人という職を得ることができた、やはり人にとって大切なのは自分の好きなこと、信念なのだ。そしてそれが自分の人生を支えていくのだ。
生きるということと、自分の信念を持つということ。それは同義である。
ということを教えてくれる映画です。
評価:




(5つ満点)
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