17年前に告げられた予言は、ハリーとヴォルデモートとの対決を避けられないものにした。過酷な運命に立ち向かうハリーにダンブルドアの個人教授が始まる。だがその内容は不可解なものであり、ダンブルドアの意図を汲み取れないハリー。またしても空席となった 『闇の魔術に対する防衛術』 の指導教官に、思いもかけない人物が就任することとなる。また苦手科目であった 『魔法薬』 で突然才能を発揮し始めるハリー。担当教官は母親の血筋だと褒めるが、それには秘密があった。ロンには常にイチャイチャする恋人ができ、ハーマイオニーはヤキモキする。ハリーはチョウと別れた後、ある女の子のことで心が一杯であるにもかかわらず、次々とホグワーツでは事件が起こる。ドラコ・マルフォイは何を企んでいるのか?スネイプは本当に信じられる味方なのか?そして最後にまたしても、ハリーの大切な人物が凶弾に倒れることとなる。
ヴォルデモートの過去に迫り、最終決戦へとつながるシリーズ第6弾。
いつもならば退屈な夏休みをダーズリー家で過ごしているハリーの生活から始まる第一章が、今回は違っています。なにやら怪しげな通りを疾走する2人の魔女。しかも2人は言い争っている。その先にある廃屋で待ち受けていた人物は、これまた驚きの人物。彼は二重スパイなのか?そしてドラコ・マルフォイはヴォルデモート卿からどのような命を受けたのか?
初めにお断りしておきますが、このハリーポッターシリーズはあくまでも
『児童文学』 です。小学生から読まれることを前提として作者は書いていると思われるので、あまりに複雑な伏線が張られていることはなく、またそのような複雑な伏線を求めるのは大人のエゴというものです。
ですからこれは 『児童文学』 として、大人は読むべきであると思います。
という前置きはどうでもいいのですが、読了直後に思ったのは、今回もダンブルドアの作戦通りではないかということです。そうでなければ話がラストへつながらない。今回も以前の内容を忘れていたので前作
『不死鳥の騎士団』 を引っ張り出してパラパラ見てみましたが
『予言』 ってそういうことだったっけ、なるほど。とか思ってしまいました。
敵がこちらを良く知っているならば、ハリー自身も敵であるヴォルデモート、すなわちトム・リドルの生い立ちからヴォルデモート卿となる歴史を良く知る必要がある、そのためのダンブルドアの個人授業だったと思うのですがハリーにはそれがよく伝わらない。
更に、
『闇の魔術に対する防衛術』 の先生の座には呪いがかけられており、就任した先生はその年の内にホグワーツを去ることとなる、というのはここ数年の通説となっています。
その座に今年
『思いもかけない人物』 を据えたのは、もちろんダンブルドア校長。
つまりその年の初めから、ダンブルドアには今年が決行の年だと分かっていたということ。だから彼をその座に据え、学年末にはホグワーツを出て行かせるように仕向けた。というわけです。
(続きはネタバレ続出です、ご注意。)
だから私は一連の事件は全てダンブルドアの計画通りだと思っています。
気になるのはその計画を知っているのはダンブルドアとスネイプ、他にいないのか?ということ。
ハリーを含め、知らない人はどうやら多いみたいなので…。
他にもダンブルドアの作戦通りだと思った理由はいくつかあります。
ます不死鳥のフォークスが何もせずに立ち去ったこと。不死鳥の血には死者をも甦らせる不思議な力があるにもかかわらず、です。
更にヴォルデモート自身が常に生と死の間を行き来しているということ。彼が出来るならばダンブルドアにもできないはずがない。
そして、確信したのはダンブルドアにとどめをさせ、と最後までスネイプがマルフォイをけしかけており、他の死喰い人達が手を出そうとしたところを何度もとめて、最後には自分がとどめをさしたところ。
これも明らかにマルフォイにはまだムリだと分かっていて、他人には手出しできないようにし、自分が手を下したように見せかけたと思えます。
ここまでしちゃったらマルフォイはもうホグワーツには居られないだろうし、最後にハリーも 『僕はもう来年学校には戻らない』 と言っています。果たして最終巻7巻での決戦はどうなるのか?ハリーが戦うなら盟友であるロンもハーマイオニーももちろん行くだろうし、でもお勉強を何よりも愛しているハーマイオニーが卒業をしないという選択をするというのは何よりも引っかかるし…。
はてさてどうなる。最終巻。ダンブルドアは帰って来るとして、それならばシリウス・ブラックも帰って来たりして?そんなことあるのかな?それならハリーの両親も帰って来るとか?そうなると…何だか大変なことになりそうですな。
最後にもう1つだけ。
私の予想ですが、ハリーの叔母ペチュニアは 『スクイブ』 ではないかと思っています。スクイブは出来損ない魔法使い、のことで通常は魔法使いの血筋に生まれながら、その血筋を生かすことができない(魔法が上手く使えない)人を指します。
ペチュニアはマグル(普通の人)出身なので魔法が使えないのは当たり前なのですが、たまにマグル出身でも魔法に類まれな才能を見出す人がいます、その代表格がハリーの母リリーであり、ハーマイオニーです。
で5巻6巻を見ていると、どうもペチュニア叔母さんは魔法界のことに少しどころかなかなか詳しいらしい。前巻でも 『約束を忘れたか、ペチュニア』 というダンブルドアからのメールが直接ペチュニア叔母さん宛てに来ていることからも、叔母さんはハリーを守る使命を与えられ、それを自覚しているのではないかと。
最終巻でどう出るか、私の予想(笑)。
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