13時13分からの13秒間、地球はP-13現象に襲われるという。P-13現象とは一体何なのか。その時を迎えた瞬間、目前に想像を絶する過酷な世界が出現する。自分達以外誰もいなくなった東京を彷徨う人々、他の人々はどこへ消えたのか。そして世界はどうなって行くのか。崩壊してゆく大都会 東京で残された人々が繰り広げる人間ドラマを描く。
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。主な著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。
もう↑これだけで十分映画的なストーリーであることが伺えますが、荒唐無稽とも言える世界の転換が、数学的理論に基づいた結果であるという展開がまず面白いです。奇抜な話なのですが徐々に世界の転換の理由が分かってゆくにつれて、なるほどそういう理論もアリなのかもな?と思わせてくれる、今回のトリック。今回も東野氏の巧さには納得です。が…
警官兄弟の兄 誠哉が、最後まで自身の弱さを他者に見せないところがちょっと出来過ぎで、どうも好感持てないですね。弟 冬樹も警察官でありながらあまりにも幼くて頼りなさ過ぎだし、ちょっと二人ともステレオタイプ過ぎる。
善悪の判断はその状況で変わるもの。人間関係もその状況で変わるものだ。という厳しいテーマをエンタメに取り込んだ、意欲作。ではあるが、あともう一押しかな。
評価:



(5つ満点)
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