神社の娘であるつばき。家の横には御陵(ごりょう)と呼ばれる、人が足を踏み入れていはいけない神聖な森が森があり、子どもたちはそこを 『まじょもり』 と呼んでいた。
春になりまじょもりにも花が咲き乱れる頃、ある朝つばきに森から招待状が届く。驚きとまどいながらも招待状を手に初めて森の奥へ行くつばき。そこで出会った不思議な女性ハナさんと、つばきよりも遅れてやってきた気の強そうな女の子。3人の不思議なティーパーティーが始まりました。
日常(ケ)の隣り合わせにある、非日常(ハレ)の世界を、小さな女の子の視点から描いた大人向けの童話。梨木香歩 作、早川司寿乃 絵。
友人が勧めてくれた本です。
児童文学作家としても有名な梨木香歩の描く、絵本の世界。図書館では子どもの絵本の書棚にありますが、これはどうみても大人向けの絵本ですね。話も内容にピッタリの早川氏の絵も装丁も、ぜーんぶ気に入りました。うちにも女の子がいたら、毎日読ませたい本です(いえ、男の子でもいいんですけど)。
つばきちゃんと後から遅れてやってきた女の子、ふたばちゃんとのやりとりが可愛いですね。どこかのんびりしたハナさんも面白いです。
昔はこうしたマジョモリのような、入ってはいけない神聖な所が身近にたくさんあったような気がしますが、この頃はなくなってしまったような気がします。こうした民俗的な遺産(有形、無形に関わらず)はだんだんと失われがちなような気がします、今の大人の私達が大切にして次の世代へ伝えていかなくては、と思います。
評価:





(5つ満点)
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