町はずれの円形劇場あとに迷い込んだ不思議な少女モモ。親もいないたった1人で暮らすモモに町の人たちは親切にしてくれます。そしてみんなは困った時にはモモに話をきいてもらうと自然と解決方法が見つかり、幸福な気持ちになるのでした。ある日突然全身灰色の 『時間どろぼう』 の男達が町へやってきて、みんなの生活が変わってしまいます。人々に失われた時間を取り戻してくれた、不思議な少女の物語。時間の概念について考えさせられる、永遠のファンタジー。
また読み返してみましょう、大人になったアナタも。
子どもの頃読んだ時、モモは特別な、選ばれた存在だと思っていましたが、決してそうではなく、誰しもモモのように生きられるのだと思いました。時間と空間と宇宙と共に、生きられるのだと。
人生の花を咲かせるのは自分自身なのです。って演歌じゃないけど…(笑)。73年の作品ですが全く古さを感じさせません。私が購入した文庫は2005年に多少訳を現代風に変えた部分もあるそうですが、時間というものに対する人の思いは時を経ても普遍なのだ、と改めて感じさせてくれた作品です。
児童文学の形をとっていますが、忙しい大人の人にこそ読んで欲しいお話です。そう、時間泥棒に時間を吸い取られている、アナタのことですよ。私もそうですけど。
評価:





(5つ満点)
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