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ヨコハマ物語*大和和紀

img20060408.jpg明治初頭、横浜の貿易商 叶屋に引き取られた卯野は、叶屋の娘である同い年の万里子と出逢う。海の向こうの異国に憧れる2人は、お嬢さんと小間使いという立場でありながらも一緒に私塾 シモンズ塾へ通い、真の友情を育んでいく。
共に幼なじみ森太郎との恋を経験するも、叶屋の主人である父の急死により運命の渦に飲み込まれてゆく2人。
万里子は横浜に残り、父の残した借金を肩代わりするという条件で新進気鋭の貿易商 竜介と政略結婚をする。画家を目指しパリへ渡った兄の代わりに自ら叶屋を継ぎ、持ち前の才能で見事叶屋を立て直す。
一方森太郎の留学先であるアメリカへ渡った卯野は、言葉・人種の壁や様々な危険、伝染病と戦いながら、移民した日本人を助けようと必死に医師として働いていた森太郎とついに再会。やがて2人は横浜へ戻る、そこには万里子と竜介が待っていた。


最近マンガを人に貸すのに色々整理をしていたら、本棚から出てきました。懐かしのヨコハマ物語。初めて読んだのは小6か中1の頃だったなぁ。
改めて読み返してみると、確かに少女マンガ的設定と展開が多いのは事実なのですが、結構私好みの内容です。

まず主人公である万里子と卯野、2人は貿易商のお嬢さんと両親を亡くした孤児で小間使いとして引き取られてきたという立場の違いがありながら、真の友情を育んでいくという点。叶屋の主人の懐の大きさもさながら、お嬢さんである万里子自身が人に対して差別をしないという性格であることがこれは大きいと思う。

異国に憧れる2人は、まだ女性には学問の道が狭かった時代に2人揃って外国人居留地内の私塾へ通えることとなり、英語やその他の学問をそこで学び、テニスをし、男子学生と交流をする。懐かしくも輝かしい青春。

しかしその青春も父である叶屋の主人の事故死で終わりを告げる。ここからが次の展開。

評価:(5つ満点)

万里子は家業を継ぐ気のない兄の代わりに政略結婚をさせられる。しかしここで少女マンガなのは、その相手が幼い万里子を一目見たときから恋焦がれていること、それってどうして?(笑)ヨーロッパへ渡り成功した後横浜へ帰国した新進気鋭の貿易商、竜介はひたすら万里子に惚れている。そこがちょっとおかしいのだけど…。

画家を目指す兄をパリへ送り出し、竜介とケンカした挙句叶屋は自分1人で立て直して見せると大見得を張る万里子。商売のイロハも知らなかった万里子が持ち前の機転で父の残した輸入品を見事に加工し売り出す様子、かなりできすぎな部分はあるものの読んでいて面白い。自分の才覚で商売をし、そのことに喜びを見出す万里子。
そしてその万里子に更に惚れ直す竜介。

一方卯野は私塾を卒業後居留地内でアメリカ人医師の手伝いをしながら英語を学び、看護婦という職業があることを知る。かつての初恋の人、森太郎が目指す医師の手伝いができればと願う卯野。

ふとしたことから渡米することとなり、森太郎を訪ねるが、彼は大学を中途で飛び出し、日本人への差別により医者にかかることもできず苦しんでいるサンフランシスコの日本人移民たちを救うため奔走しているという話だった。その噂を頼りに卯野は単身アメリカ大陸を横切る、ただ森太郎に会いたい一心で。

森太郎と再会し、天然痘のワクチンを苦労して入手した2人、森太郎は大学へ戻り医師資格を取得、無事帰国となる。

まぁこの波乱万丈な設定も面白いが、それぞれ違った性格を持つ2人が上手い具合にそれぞれの居場所を自分で見つけていく、というテーマが良いのではないかと思う。
何よりも明治時代という時代も面白い、江戸の時代が終わり一気に外国文化が流入し、人々は正に 『文明開化』 の時代を生きていた。その時代に逞しく、愛を貫いて生きた2人。

うーん、少女マンガ(笑)。でも大和和紀ではやっぱり一番のお気に入りですね。
『ニューヨーク小町』 も好きだけど、やっぱり 『ヨコハマ物語』 かな。

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1972/02/16
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