体温計 くわえて窓に額つけ 「ゆひら」 とさわぐ 雪のことかよ
歌人 穂村弘が贈る、甘くて痛く、優しくて怖い想い。既刊の歌集と未収録作品から400首を選び書き下ろしを加えたベスト歌集。
(穂村弘)1962年北海道札幌市生まれ。上智大学英文学科卒業。歌人、翻訳家、エッセイスト。主な著書に 『シンジケート』 『短歌という爆弾』 『もうおうちへかえりましょう』 『本当はちがうんだ日記』 など。
俵万智氏と同世代の歌人、穂村弘氏のベスト歌集。穂村さんは人事課長をやりながら歌人であるという、そのライフスタイルも現代を代表する歌人です。金原瑞人のYA向け読書案内でも推薦のこの一冊、その読書案内によれば俵万智
『サラダ記念日』 が**万部売れたのであればこちらも**部売れてもおかしくない内容、とあり私も買ったわけです。
極度に恋愛恐怖症(?)、対人恐怖症(??)のホムラさんが贈る短歌、詩の数々はやはりキョーレツです。
ホットカルピスを飲んでいた顔見知りの女が、急に私に向って 「カルピス飲むと白くておろおろした変なものが、口からでない?」 と、いった。私はとても驚いて、「でる。」 と反射的に答えながら、この女と付き合おうと決めていた。(穂村弘「ごーふる」より)
という詩の一節など、ちょっと素晴らしすぎるっ。と私もおろおろしたものが出そうなほど興奮(笑)。
短歌なんてどうやって作ればいいのさ、という中高生から短歌って自分でも作ったっけ、と思いだす大人の方まで、すべての世代の方にオススメします。歌集を読んでホムラワールドに一緒に浸りましょう。オタクの世界は案外貴方の世界と近いかもしれませんっ。
評価:




(5つ満点)
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