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分身*東野圭吾

img20060827.jpg函館で生まれ育った育った女子大生 氏家鞠子は、幼い頃から自分と全く似ていない母との間に確執を抱えていた。母が自宅に放火し焼身自殺を図った頃から自分の出生に疑問を抱き始める。東京で生まれ育った女子大生 小林双葉は、所属するアマチュアバンドでテレビ出演を果たすことになった。執拗に自分のテレビ出演に反対する母。それを押し切り出演を果たした夜、母は諦めた顔で俯いていた。なぜそこまで母は反対したのか?自分の出生を探り始めた鞠子は自分にそっくりだと言う女子大生 双葉の存在を知る。双子かと思ったが2人の年齢は1歳異なる、戸籍でもハッキリ証明されていた。あまりにも似すぎているお互いの存在とは、そして2人を取り巻く真実とは。2人の出生をめぐる現代医学の危険な領域を描いたサスペンス。『小説すばる』 連載 『ドッペルゲンガー症候群』 に加筆修正、改題。
(東野圭吾)1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業。『放課後』 で江戸川乱歩賞、『秘密』 で日本推理作家協会賞、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。 著書に 『幻夜』 『白夜行』 『片思い』 『トキオ』 『ゲームの名は誘拐』 など。


久々に読み応えのあった作品です。2人はそっくり、でも戸籍上は全く操作の跡もないし年齢も1つ違う。どうしてなのか…というストーリー。
鞠子は自分が母親に似てないことから母に疎まれていると悩み、双葉は執拗にテレビ出演を反対し続ける母に疑問を抱く。この設定がまず上手いですね。

物語は 『鞠子の章1』 から始まり 『双葉の章1』 と交互に続きます。段々山場が近づいてくるとついどちらかの章を飛ばしてまで先を読みたくなってしまう、その気にさせる作りは上手い!久々に引き込まれちゃいました。

段々と章の長さが短くなってきます、そして最終章で2人はようやく顔を合わせることになりますが、このラストもなかなかですね。

人は自分のルーツを知らず知らずのうちに求めてしまうもの。それが自分のアイデンティティーに繋がることを知っているからでしょう。自分達のルーツを知ってしまった鞠子と双葉はどうするのか?それでも生きていくのでしょう、それが彼女達の人生だからです。
彼女達には自分の人生を生きる権利がある。それは誰にも剥奪されることのない、まぎれもない権利なのです。

医学、特に発生学に関する知識が乏しい私でもなかなか楽しめました。逆に詳しい方が読むとアラが見えちゃうのかもしれませんが、物語の演出といい構成といい、そして改題 『分身』 といい、オススメです。
ご一読を。

評価:(5つ満点)
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誕生日:
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