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南の子供が夜いくところ*恒川光太郎

minami.jpg今年で120歳というおねえさんと出逢ったタカシは彼女に連れられ両親とも離れ遠い南の島で暮らすことになる。そこはめくるめく魔術的世界だった。南太平洋にあるトロンバス島を舞台に時空を越えて織り成される蠱惑的な物語。 『野性時代』 掲載等を単行本化。
(恒川光太郎)1973年東京都生まれ。沖縄県在住。 『夜市』 で第12回日本ホラー小説大賞を受賞しデビュー。主な著書に 『雷の季節の終わりに』 『秋の牢獄』 『草祭』 など。
(収録作品)南の子供が夜いくところ/紫焰樹の島/十字路のピンクの廟/雲の眠る海/蛸漁師/まどろみのティユルさん/夜の果樹園

夢かうつつか、現実か幻か。そんな思いが交錯する7つの連作短編集。途中 『オンの地』 (雷の季節の終わりに)の名前も出てきます。恒川氏が書くと本当に異世界は普段はよく見えていないだけで、私達の毎日の暮らしのすぐ後ろにあるんじゃないかと思えてしまうのです。今回の結論のない終わり方も見事ですね、他の作家で結論のない終わりだと消化不良感がすごくあるのに恒川作品は謎は謎のままでいいというか、それで十分納得させられて満足して読了してしまう。このマジックはなぜだ?

『夜の果樹園』 が秀逸ですね、すごーく怖いです。でもそれがたった一晩の出来事だったのか、何年も何十年も経っていたのか…それは永遠に分からないし分からなくてもいいことなのかもしれない。早くまた次作でこの空気、世界感に再び浸かりたいものです。

評価:(5つ満点)

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Comment

待っていました

  • 小琴
  • 2010-05-21 19:55
  • edit
でたのですね、新刊

そろそろかな、と思っていました。


いつものことながら
AKMさんの批評は
 後のお楽しみ....

早速 予約してみます。
 

オススメ新刊続々

  • 菜摘
  • 2010-05-24 07:46
  • edit
新刊チェック、いつもありがとうございます
今回も恒川ワールドたっぷりですよ。
最近もまたまたよい新刊が続いていて嬉しいです、
今のイチオシは

三崎亜記『コロヨシ!!』
吉永南央『オリーブ』

です。吉永南央はこれから全著作を読もうと思ってます、
今年最初のヒットです!
ぜひ小琴さんにも読んでいただきたいです。

読み終えました

  • 小琴
  • 2010-06-25 22:42
  • edit
ようやく 読み終えました。

前作までのとは
色がずい分異なったような。

時間の軸が複雑なのは
ちょっと苦手...

でも最後まで読み通せるのは
やはり恒川氏の作品だからでしょう。


私としては

どうしても 

【“もの哀しげ”さ】 がうっすらと漂っていてほしい、
と期待してしまうのです。
(この人独特の)


特にストーリーにそれを求めるわけではないのですが。

 

ホラー度【高】

  • 菜摘
  • 2010-06-26 15:00
  • edit
そうですね、ちょっと色合い違ったかも。今回はどちらかと言えば
ホラー色が色濃いですね。

私としては実はちょっと中途半端な印象を受けました、
続編を書くつもりでこういう終わりになったのかな?
と最初思いましたが、時間が経つにつれて納得できない、解決できない事柄が
あるのも人生だ、ということなのか?とも思いまして…
と今回もまたグルグルしそうになりました(笑)。

連作なんだけど個々の短編の力が若干強すぎて連作になりきれてない
部分がありますね。
でもやっぱり 『夜の果樹園』 好きですね。

でももの悲しさ、というより空恐ろしさ、ですけどね
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急にアクセス数が増えていて、自分でもビビリ…(笑)。10/10でブログ開設10周年!日付が追いつくよう頑張ります。
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木皿泉 『昨夜のカレー、明日のパン』
プロフィール
名前:
DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
職業:
兼業主婦
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ハマッてます:
車が新しくなりついにiPodがつなげる環境に!すごいぞ技術の進歩!
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