自称 『何でもやってやろう屋』 の元探偵 成瀬将虎。体を鍛えることと運命の女に出会うことを日々精進する俺は、ひょんなことから霊感商法に関連する保険金殺人事件の真相を暴くよう依頼を受ける。事件は解決できるのか、そして俺は運命の女に出会えるのか?ラストに待ち受ける本編全体に掛けられた大仕掛けとは?日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞受賞作。
(歌野晶午)1961年千葉県生まれ。東京農工大学農学部卒業。 『長い家の殺人』 で推理作家としてデビュー。主な著書に 『白い家の殺人』 『死体を買う男』 『ブードゥー・チャイルド』 など。
とにかくすごいプロットだから読んでみろ、と勧められて読みました。タイトルからして私は絶対手に取らない本なのですが(苦笑)、万事人のオススメに弱いものですからまずは読了です。『あっと驚く!』 仕掛けがラストに待っています。これは 『小説だからこそできた大仕掛け』 であるとしか言えないですけど、なるほどこれは面白いなと思いました。登場人物らが一見全く関係がなさそうで、実は一本につながる仕掛けは見事です。
がっストーリーの流れよりもこの仕掛けそのものに重点を置いているため、小説としてはどうなんでしょうね…面白いことは面白いけど。葉桜の季節、とは桜の終わった季節、という意味です、念のため。桜の木の晴れ舞台を花の季節とすれば、葉桜の時期はその次ということになります(ああもう既にネタバレ近いか?)。でも私は葉桜の新緑も、とても好きですけどね。
評価:(5つ満点)
(以下ネタバレに付き未読の方はご注意)
人の先入観をうまく利用したプロットになっており、騙された不快感はありませんが爽快感もないですね(笑)。トラちゃんは確かに最初から読者を騙してはいないしね。でもこういう作品にありがちな、くずれがちなトリックを終盤で一気に片付けようという姑息さがないのはこの作品の見事なところですね、キレイにまとまっています。プロットの参考としてはとても興味深い作品です。
こちらは
ラストの驚き