野党初となる首相の凱旋パレードが行われている仙台で、ラジコンヘリ爆弾を使った首相暗殺事件が起きる。時を同じくして、久々に旧友 森田と再会を果たしていた青柳は、突然現れた警官から発砲され、追われる身となる。全ては青柳を暗殺犯に仕立てるための罠だったのだ。何のために、なぜ自分が犯人に選ばれたのか。絶体絶命の状況で青柳は学生時代の仲間に助けられながら逃亡を続けるが。
原作 伊坂幸太郎。
この、スタイリッシュさがやっぱり伊坂幸太郎。とまず思ってしまう。ちょっと鼻につくほどのカッコよさ、それがスクリーンの中ではますます映えてしまう、伊坂作品はやはり映画向きですね。
全編を通じ流れるビートルズ 『ゴールデンスランバー』 。ビートルズと同じ4人組だった学生時代のサークル仲間、4人で活動したサークル、アルバイトした仙台花火大会の準備、思い出の曲と思い出の花火が懐かしい人々を再び繋いでいく。くわーやっぱりカッコイイを通り越し、ひたすらにスタイリッシュ!スマートすぎてもう何も言えん(笑)。
いつもやや過剰に感じる堺雅人の演技も、今回は追い詰められた指名手配犯を演じるにあたりちょうどいい感じ。脇を固める吉岡秀隆、竹内結子もバッチリ。劇団ひとりはなかなか存在感があるんですねぇ。そして香川照之は今回も男のいやらしさ満開の、すごーく厭な警察官僚を見事に演じきっており満足です。更に永島敏行のクレイジーなスナイパー役、この狂気ぶりが非常に良かったですね。入院患者の柄本明や通り魔のキリオについてはフィクションめいてるというかマンガだこりゃと思ってしまいましたが、それでも十分楽しめたのは、やっぱりこの全編を貫く 『スタイリッシュキープ』 (笑)の空気なのではないかと、思うのでありました。
評価:(5つ満点)