子ども時代から今まで本と共にあった。読書の思い出はいつも自分を幸福にしてくれる。数学の本、文学の本、野球を愛する日々、幼い息子との生活、犬と歩く道。作家 小川洋子の読書記録といえる、本に関するエッセイ集。
(小川洋子)1962年岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。 『揚羽蝶が壊れる時』 で海燕新人文学賞、『妊娠カレンダー』 で芥川賞、『博士の愛した数式』 で読売文学賞、本屋大賞を受賞。主な著書に 『ブラフマンの埋葬』 『薬指の標本』 など。
同じ本好き、と言っても全ての趣味が一致する人はいるわけはないので、途中からこの本も結構読み飛ばしてしまいました、スミマセン。米文学は本当ーに知らない(読んでない)ので全くピンと来ませんでした。
そんな中でもやはり
『アンネ・フランクの記憶』 を読んだばかりだったので、アンネ関連の内容が多く、興味を持って読みました。また書評の中に
梨木香歩 『家守綺譚』 と
村田喜代子 『雲南の妻』 があったのは嬉しかったですね。
小川氏によれば
『家守綺譚』 では
『梨木氏の日本語は美しい』 、
『雲南の妻』 では
『思いもかけない裏切り方』 そうでしたね、それが良かったです。同じ感想は嬉しいものです。
やはりアンネの記述が一番多いような気がします。小川氏の息子さんが伝記集を読んでいて、
『ママ、この中で一番早く死んだのはアンネ・フランクだよ』 と言ったこと。アンネと同じく自分も大事にしていた日記帳とそれをくれた中学校の同級生との交流。募金活動をして思い出したアンネの友人ミープさんのこと。小川氏の毎日の生活にアンネの思い出が出てくるのは、本当に小川氏の心の奥底までアンネが今も生き続けていることの証ではないでしょうか。
博士の本棚ならぬ小川洋子氏の本棚。私も自分の本棚を持てる人になりたいです。
評価:




(5つ満点)
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