父親が被害者で母親が加害者。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺された子ども達はどのように生きていくのか。2つの家族の物語を軸に、高級住宅地に暮らす人々の現代の生き辛さを描く。小説推理連載に加筆、訂正し単行本化。
(湊かなえ)1973年広島県生まれ。武庫川女子大学卒業。『聖職者』 で小説推理新人賞、『告白』 で本屋大賞を受賞。他の著書に 『少女』 『贖罪』 『Nのために』 。
一気に2時間で読んでしまいましたが、やはりこの後味の悪さ、が残る不思議な読了感。湊お得意の
『みんな嫌なヤツ』 ばかり出てくるのですが、今回はみんな
『自分なりに精一杯頑張っている』 のに、なぜ悲劇が起こるか?というのがテーマなのかな。悲劇が起こるっていうのはやっぱり何かが間違っているってことなんだけど、誰もそれを認めたくない、ということでしょうか。
人を追い詰めるのはやはり人、というのが本書のテーマでしょうか。ということは人を救うのも人、というテーマだと、信じたいです。
そろそろ暴力から脱却した湊作品を読みたいですが、次回作はどうでしょう。
評価:



(5つ満点)
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