マンガ家 吾妻ひでおの体験を描いたノンフィクションマンガ。仕事を放りだし野外生活をしていた 『夜を歩く』、再びホームレスとなり配管工として働いていた 『街を歩く』 、アル中で入院した前後を描いた 『アル中病棟』 。いずれも家族に迷惑かけっぱなしの吾妻氏のセキララな日々を描く、セキララすぎる。
(吾妻ひでお)1950年北海道生まれ。『失踪日記』 で日本漫画家協会賞大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞、日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞。不条理、SFマンガからロリコンマンガまで執筆。
(収録作品)夜を歩く/街を歩く/アル中病棟
読みたいとずっと思っていた本書をついに読了。ホームレスしたりガス会社の下請け会社で働いたりアル中で入院したり。それをネタとして供出する吾妻先生スゴイ…じゃなくて奥さんがスゴイ!エライ!秋田書店メインの吾妻先生は手塚先生との絡みなどもありそちらでも楽しめます。
先生は完全にうつ病と思いますが、そうなってしまう原因は手抜きができないこと。マンガもすごく力を入れて各コマ丁寧に描いてしまうそうで時間がかかる。見てみると確かにそう、丁寧な背景にコマ割り。背景もないテキトーな最近のコミックエッセイ(失礼)を見ていると、吾妻さんもテキトーにしたら良かったのに…とそれができていればここまで行かないですね。
ホームレスにになってもガス会社でガテン仕事してもアル中で入院しても、やっぱり生活の重点を占めるのは人間関係。すごいところばかりだけどそこでもガマンして居続ける?吾妻さん。だから悪くなるんじゃ?
世の中はまだまだ広く、知らない世界がいっぱいあることを知ることができる、一冊です。
評価:(5つ満点)