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寺山修司詩集*ハルキ文庫

img20050821.jpg前衛演出家だとか天井桟敷だとか、そのイメージばかり先走りして妖しげなイメージしかなかった寺山修司。H市近郊のM市出身ですのでM市には寺山修司記念館があります。

以前この記念館ができた頃、首都圏在住であった私たちは帰省帰り飛行機に乗ったとき、偶然にも美輪明宏と同じ便になったことがありました。妙に興奮して話しかけたかったのですが、誰も話しかけないしお1人だし、彼のお芝居も見たことないし、と諦めたのですが、彼の足元の白いハイヒールがやたらに大きかったのをよく覚えています。

家についてから電話で義母に話すと 『寺山修司記念館のオープニングセレモニーか何かに来たんじゃない?』 とのことでした。それもお1人で…しかもいつもの通りの美輪さんでした。

前置きはさておき、地元新聞にしばらく寺山修司の元奥様 九條氏の連載が掲載されており、たまに読んでいたのですが、訪問先の学校で教頭先生に頼まれて資料を先生の机上のPCで仕事をしていた時その記事の切り抜きをたくさん発見し 『寺山修司お好きなんですか?』 と尋ねると 『そうなのよ。割と詩とか短歌はいいものがあって中学生にも勧めているのよ』 とのこと。中学生が読んでも大丈夫なのか、なるほど…とその時は思っていました。

評価:(アナタの枕元にも寺山修司を)

そしてふと買ってみた寺山修司詩集。すばらしい。の一言。非常に私好みです、特に 『少女詩集』 が一番好き。本当に寺山修司という人の感覚は、時に大人の男であったり、時に少女のようであったりしたのでしょう。そう感じさせる詩集でした。

私が特に好きな詩は 『もしも住む家がなかったら』 『ひとり』

もしも住む家がなかったら
 おとうとよ
 人生は
 汽車に似ているね
  さみしくなると
  汽笛をならす (中略)

 ああ おとうとよ
 おとうとよ
 だけども旅はすてきだよ
 荒野に
 野菊も咲いてるし
 見知らぬひとが手を振るし (中略)

 おとうとよ
 人生は
 汽車に似ているね
  いつか故郷に
  帰ってくるんだ (寺山修司 『人生処方詩集』 より)
 

すばらしい!(ちなみに寺山修司には兄弟はいません)
そして

ひとり
 いろんなとりがいます
 あおいとり
 あかいとり
 (中略)

 でも
 ぼくがいつまでも
 わすれられないのは
 ひとり
 という名のとりです (寺山修司 『少女詩集』 より)


これまたすばらしい!!

恐ろしく感銘を受けた私は、この詩集を買ったばかりの頃は毎晩寝る前に上記の2篇の詩を朗読し続けていたら、ある晩第1王子に 『もうテラヤマシュウジはいいからっ』 と怒られてしまいました…。感性豊かな少年に育って欲しいという母の願いは、叶うのでしょうか。

何かとお騒がせな春樹さんですが、このハルキ文庫の寺山修司詩集はお買い得でオススメです。

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DaisyAKM/菜摘
年齢:
53歳
誕生日:
1972/02/16
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