そしてふと買ってみた寺山修司詩集。すばらしい。の一言。非常に私好みです、特に 『少女詩集』 が一番好き。本当に寺山修司という人の感覚は、時に大人の男であったり、時に少女のようであったりしたのでしょう。そう感じさせる詩集でした。
私が特に好きな詩は 『もしも住む家がなかったら』 と 『ひとり』 。
もしも住む家がなかったら
おとうとよ
人生は
汽車に似ているね
さみしくなると
汽笛をならす (中略)
ああ おとうとよ
おとうとよ
だけども旅はすてきだよ
荒野に
野菊も咲いてるし
見知らぬひとが手を振るし (中略)
おとうとよ
人生は
汽車に似ているね
いつか故郷に
帰ってくるんだ (寺山修司 『人生処方詩集』 より)
すばらしい!(ちなみに寺山修司には兄弟はいません)
そして
ひとり
いろんなとりがいます
あおいとり
あかいとり
(中略)
でも
ぼくがいつまでも
わすれられないのは
ひとり
という名のとりです (寺山修司 『少女詩集』 より)
これまたすばらしい!!
恐ろしく感銘を受けた私は、この詩集を買ったばかりの頃は毎晩寝る前に上記の2篇の詩を朗読し続けていたら、ある晩第1王子に 『もうテラヤマシュウジはいいからっ』 と怒られてしまいました…。感性豊かな少年に育って欲しいという母の願いは、叶うのでしょうか。
何かとお騒がせな春樹さんですが、このハルキ文庫の寺山修司詩集はお買い得でオススメです。