高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたと言うのだ。『人が死ぬ瞬間を見たい』 と思った彼女らはそれぞれ 『死に近そうな場所』 でボランティア活動を始めるが。好奇心から始まった少女らの夏の結末は?若さゆえの残酷さ、純粋さについて問う。
(湊かなえ)1973年広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒業。『告白』 で小説推理新人賞を受賞しデビュー。
『告白』 で衝撃的なデビューを飾った湊かなえの第2作。これを読んだ人絶対かなりの数いるはず。今回も趣向は面白い、ところどころ複雑な伏線が張ってあり破綻もない。だが、よくできたドラマか映画のようだった。エンタメとしては面白いが単に面白さだけを求めて行くつもりならもう読まなくなるかも。
女子高生という世代の無邪気さと言えば響きはいいが、この話を読む限りは空恐ろしく感じる。女子高生ってここまで世界の中心が自分、なんだろうか?でもどの世界でもいわゆる 『コドモ』 とはそういうものなのかもしれない。自分しか見えてないからコドモなんだし…って私もそうなのか?…とここで反省(笑)。
技巧はものすごいがこの本では前作ほど訴えてくるものが分からず、イマイチな印象だった。ハヤカワノベルスというカラーのせいかどうか?
評価:(5つ満点)