私が愕然としたのは、この本が1950年に書かれたということです。50年も昔。でも女性の悩みはその頃とほとんど、全くと言って変わっていないという事実にまた驚愕を覚えました。最終章は1970年にアンが追筆し、自分の娘達を見ていても自分と同じ悩みを抱えながら生きている、20年経った今も女の持つ悩みは変わらないのか。とあるのですが、それどころか50年経った今も変わらないのですよ。
つまりそれだけ、人の持つ悩みというのは普遍的なのだということだと思うのです。
この本に書かれている 『人は皆もともと孤独である。私たちは孤独である、ということをまず学びなおさなくてはならない。』 という一節が、非常に身に沁みました。
そうです。一人一人は違う人格を持ち、それぞれ踏み入って欲しくない領域があるのです。それは長年の親しい友人であっても、愛し合って結ばれた夫婦であっても、同じことなのです。この本はフェミニズムを冗長しているものでも反発しているものでもなく、ただ女性という性は生きていく上で様々な役割を要求され、それに応じて自分の形態(心の在り様)も変化させて行く必要がある、ということを教えてくれています。
どうして、と思うとき。
疲れた、と思うとき。
またこの本を開きたいと思います。友人もいつも傍に置いていると話していました。彼女と自分のために、ぶきっちょな私がカバーを作りました。詩集と一緒にいつも枕元に置いておけるように。