男に騙されてたどりついた北の町。太っていて不細工で、とても明るい私のお母さん、肉子ちゃんは港の焼き肉屋で働いている。小学生のキクりんの目から肉子ちゃんとの生活を描く。『パピルス』 掲載に加筆修正して単行本化。
(西加奈子)1977年テヘラン生まれ大阪育ち。関西大学法学部卒業。『通天閣』 で織田作之助賞受賞。主な著書に 『あおい』 『さくら』 『うつくしい人』 『きりこについて』 など。
愛すべきトンデモキャラは西加奈子の定番ですが、西さんはどちらかというと人生逆境にありながらも逞しく明るく生きてる人々にスポットを当てて描くのが大好きですね。肉子ちゃん母子が抱える大きな大きな悩みすら、それすら飲み込んで包み込んでしまう肉子ちゃんの包容力は、やはり
『愛』 でしょう。あまりの衝撃的な展開に、読者は同情すらできずただひたすらボーゼンとなるも、当の肉子ちゃんとキクリンは明るく生きていく。
今回の装丁も西加奈子画伯によるものです、小説も書けて絵も描ける。くーいいなぁ芸術家(笑)。
評価:



(5つ満点)
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