次に恋人を得るなら穏やかな、凪の海みたいな恋愛をしたい。そう思っていた32歳の夏目だったが、画家の間島に心惹かれてゆく。しかし間島には恋人があった。 『あかん人』 になってしまう自分を止められない。『小説新潮』 連載に加筆修正して単行本化。
(西加奈子)1977年テヘラン生まれ大阪育ち。関西大学法学部卒業。『通天閣』 で織田作之助賞受賞。主な著書に 『あおい』 『さくら』 『うつくしい人』 『きりこについて』 など。
芸術家同士の出会いと恋。ちょっと複雑かと思いきや、すごい複雑。芸術を生きるってこんなに辛いのか。夏目のみならず間島、瀬田という2人の男の複雑さ。そんな複雑な男達を愛してしまう、夏目、塚本のこれまた複雑さ。
恋愛って大変。ガツンと裏切られる、でもどこかに救いの光が見える、そんな小説です。
評価:




(最近の純文学はアタリが多い)
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