昭和19年福岡県知事の屋敷に奉公にきた千恵子。華やかな博多の街、美しい令嬢 和江との友情、そして初めての恋。しかし戦争の足音は千恵子のすぐ背後に迫っていた。恋に命をかけた女たちを描く連作短編集。
(宮木あや子)1976年神奈川県生まれ。 『花宵道中』 で 『女による女のためのR-18文学賞』 大賞と読者賞を同時受賞しデビュー。 主な著書に 『白蝶花』 『雨の塔』 『群青』 など。
期待以上の作品、花宵道中2と言ったところ。舞台は昭和、戦前~後の戦争と格差社会を背景に、たくましく愛に生きた女達を描き秀逸。特に空襲のシーンはよく描けてます。戦争という厳しい状況下にありながらも、それでも人は愛し合い、生きて行くんだなぁ、としみじみ感じた一冊。宮木氏の若いながらも愛情というものに対するしっかりした考え方にいつも感嘆してしまいます。
昭和の、特に20年までの女達と比べたら、現代の女である私達なんて自由で選択肢も多くて、これで人生に文句言ってちゃアカンなーと思ってしまいました(でもすぐ忘れるんだよね…)。
評価:




(5つ満点)
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