ちくま文庫版 『見晴らしガ丘にて』 及びカワデパーソナルコミック 『悲しき街角』に分散されて収録されていた当シリーズ。今もなお傑作との聞こえが高い作品が完全版となって蘇る。郊外の街 見晴らしガ丘に住む人々の生活の中に潜む悲しみと幸福を捉えた作品。
(近藤ようこ)1957年新潟県生まれ。国学院大学卒業。漫画家。新潟中央高校在学中に同じく同校在学中であった高橋留美子らと共に漫画研究会を設立した。 『見晴らしガ丘にて』 で漫画家協会賞優秀賞受賞。主な著書に 『ルームメイツ』 『アカシアの道』『うきうきお出かけ着物術』 など。
(収録作品)初恋/GALS LIFE/ママ…DORAEMON/かわいいひと/HAPPY BIRTHDAY/となりの芝生/プレゼント/なつめ屋主人/ご相談/ロマンス/野守は見ずや/改心/宇宙爺/誠実
私は近藤ようこ氏の漫画が好きです。他と比べて地味に見える絵ですが内容は間違いなくヒューマンドラマ。二度三度と読み返してますますしみじみ来てしまう。本作も 『傑作と名高いシリーズ、待望の単行本化!』 の宣伝文句に思わず購入してしまいました。
ただ時代が80年代と結構古いので現代の感覚とややそぐわない部分もあり評価はイマイチです。逆に80年代ってこうだったかも、という視点で見ると面白いかもしれません。私の一番のお気に入りは 『なつめ屋主人』 かな。夫婦のすれ違いを描いたものが多く、身につまされます(苦笑)。
やっぱり近藤ようこは 『ルームメイツ』 が最高傑作ですね。何度読み返しても不思議と飽きないのです。
2007最後の読書となりました。
評価:(5つ満点)