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闇の底*薬丸岳

yaminosoko.jpg少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。自らを 『死刑執行人サンソン』 と名乗る犯行声明が警察とマスコミに届く。犯人の意図は、そして犯人は一体誰なのか。断ち切れない性犯罪の断罪について問う。
(薬丸岳)1969年兵庫県生まれ。駒沢大学高等学校卒業。 『天使のナイフ』 で第51回江戸川乱歩賞受賞しデビュー。

薬丸岳2作目。今回も難しいテーマ、性犯罪者の更正、断罪について。性犯罪者が更正することは本当に不可能なのだろうか?そしてその事実について、犯罪者本人はどのように捉えているのだろうか?

フランスの史実になぞらえて、断頭台の死刑執行人を代々務めたサンソンを名乗る犯人。この犯人にも登場する刑事達にも、そしてかつて娘が性犯罪の被害者となった男性にも、すべての登場する男性に5歳前後の女の子がいる、というところからまずややこしい。

犯人は犯人として一人称で登場することから、一体誰が普段の顔を隠しつつ犯人なのか、考えながら進むのだが、果たして犯人は表向きは普通の生活を送っている人物なのか、それとも全く別の人物なのか?やや煩雑な印象を受けてしまう。
途中から犯人の正体が薄々見えてくるので、犯人の心理状態についてもう少し突っ込んで欲しかったけど、そうすると読者に犯人像が完全に分かってしまうからできないようで…犯人の正体を最後まで隠そうとする余り、その心理描写がイマイチだと感じてしまった。

かつて小学生だった妹を性犯罪の被害で亡くした刑事と彼の上司である管理官、この関係についてももう少し突っ込んで欲しかったかな。法により罪を裁くとはどういうことか、警察官としてどのような態度で信念であるべきか。ちょっと弱かったかも。

一生癒されぬ犯罪被害者とその遺族、犯人の断罪とは。について描かれた意欲作ではあるが、一人称の切り替えが多過ぎて雑多な感じ。ラストも予想がつくためにちょっと物足りない。

評価:(5つ満点)

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