誰も知らない、もう一つのオズの物語
ブロードウェイ発信のもう一つの 『オズの魔法使い』 の物語。悪い魔女と善い魔女グリンダは実は親友同士だった。オズの国を征服しようとする者達によって2人は敵同士にさせられてしまったのだ。緑色の肌のため父親に疎まれて育ったエルファバだが魔法の才能があった。グリンダは美しく愛らしい容姿で皆の注目を集めるのが何より好きだが、魔法の才能がないことを悩んでいた。その対照的な2人が大学で出会う。最初は反目しあっていた2人だが、徐々に惹かれあい友情を育む。しかし2人を引き裂く出来事が起こり…。
劇団四季の今年始まった新しい演目、ウィキッド。前評判のすごさが納得、の素晴らしい舞台でした。まずは舞台装置、舞台上面のドラゴンが、煙を吐いて動き回る!ひええー!
ストーリーも秀逸。誰もが知っている
『オズの魔法使い』
カンザスの少女ドロシーが竜巻に巻き込まれ、魔法の国オズへ飛ばされてしまう。カンザスへ帰るためにオズを治める 『オズの魔法使い』 に会いに行くドロシー。途中臆病なライオン、脳みそが欲しいカカシ、心が欲しいブリキの木こりと出会い一緒に旅を続ける。そのストーリーで登場する悪い魔女と善い魔女、2人は敵同士であるが、それは実はオズの魔法使いが仕組んだ嘘であり、本当は2人は親友同士で最後まで互いを想い合っていたのだ。
評価:





(5つ満点)
お互いにないキャラクターに嫉妬しあう様子、戸惑う様子、そして親しくなり友情を交わす様子。その2人が信じていた大魔法使いオズが実はペテン師だった。そしてエルファバは悪い魔女として祭り上げられてしまうのだ。グリンダはエルファバのことを信じながらも彼女の命を守るため、オズの言う通り善い魔女を演じることになる。
最後までグリンダがエルファバを友として案じていたことが大きな救いですね。我の強いエルファバにとっては、周囲と上手に折り合い周囲の期待に沿うことができるグリンダのような親友が必要不可欠というテーマがいいです。ところどころギャグも多く織り交ぜており楽しめました。
今回の舞台は何と言っても 【照明】 の素晴らしさ。これに尽きます。
青を初めとする色とりどりのライトによるステンドグラス風のレンガ道、緑色一色に輝くエメラルドシティ、そして1幕ラストで宙に浮いたエルファバを照らすライトの移り変わり、これが素晴らしい!色の持つ表現力を十二分に楽しませてくれました。
必見の舞台です。
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