キキともうひとりの魔女
16歳になったキキ。ある日突然12歳の女の子、ケケが転がり込んできます。キキの大事な友達のとんぼやミミとも仲良くなったケケは、それまでキキが努力して築いてきたコリコでの穏やかな生活を崩そうとしているかのよう。キキの心は不安でいっぱいになります。やがてキキの心は成長し、ケケを理解することでまた大きく成長するのです。
(角野栄子)1935年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。25才の時にブラジルに2年間滞在。『ズボン船長さんの話』 で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』 で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』 で野間児童文芸賞、小学館文学賞他を受賞。
3巻から急に話が難しくなります。中学生以上向きかな。キキも16歳になったからでしょうか?思春期の不安定な気持ちが大きくキキを支配します。キキのケケに対する苛立ち、とまどい、嫉妬がよく描かれている分、少し辛い部分もあります。
16歳という微妙な年齢、子どもではないが大人でもない、不安定な時期を描いてよくできているのですが、何となく3巻は前2巻に比べるとまとまりがない感を受けます。キキの心の乱れぶりがうつるから?でも自分の気持ちに正直なキキは可愛いですね。
評価:(5つ満点)