それぞれの旅立ち
長年の恋を実らせとんぼさんと結婚したキキ。今では双子の子どもニニとトトも11歳に。お母さんになったキキ、お父さんになったとんぼさん、そして魔女になるかどうかを迷っているニニと、男の子という理由だけで魔女になれないトト。それぞれに旅立ちを迎える。シリーズ完結。
(角野栄子)1935年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。25才の時にブラジルに2年間滞在。『ズボン船長さんの話』 で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』 で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』 で野間児童文芸賞、小学館文学賞他を受賞。
ついに長年続いた本シリーズ完結!ということで一応読まねば。おてんばで無鉄砲な魔女娘キキも30代のおかあさんに。すっかり落ち着いちゃってあんまりキキらしさを感じられなかったけど、今回の主人公はニニとトトだからいいのでしょうか。
現代っ子のニニと寡黙で内向的なトトを描いてますが、ニニの描写がちょっとイマイチかな、現代っ子らしいニニならではの悩み方をもう少し描いて欲しかったけど。その点はトトの方がよく描かれていて主人公の比率としてはトト:ニニ:キキが6:3:1。この本を単独で読んでもかなり分かりにくいのでは、というのが難点でしょうか。
それにしてもどうして男の子は魔女になれないんだろう?トトじゃなくても不公平だと思いますし、不思議な理由ですね。でもこういう風に 『そういうものなのだ』 というのがやはり、魔女的な思想なのかもしれない。と読後しばらくして思いました。
評価:(長いシリーズ物を読破したい小学生に)