キキは13歳の魔女。魔女のしきたりでは13歳になると一人立ちをしなくてはなりません。キキも旅立ちの日を迎え、相棒の黒猫ジジと共に 『自分の町』 を探して故郷を旅立ちます。親元を離れ自立する少女の期待と不安を描いた児童文学。福音館書店 『母の友』 連載作品。
(角野栄子)1935年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒。25才の時にブラジルに2年間滞在。『ズボン船長さんの話』 で旺文社児童文学賞、『おおどろぼうブラブラ氏』 で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』 で野間児童文芸賞、小学館文学賞他を受賞。
やっと読み始めました。数年前から読もうと思っていた本作、 『児童文学週間』 と銘打って一気に読みます。
ひとり立ちするということ、親の庇護から離れたった1人で全てを対処するということ。わずか13歳のキキは魔女として生きていくため、昔からの伝統にのっとって13歳で家を出ます。
キキは大きな街コリコで生活を始めますが、最も大切なことは 『魔女として生きること』 、それは街の人々にとって自分という魔女が 『必要な存在』 にならなくてはならない、ということ。実に難しい。魔女の修行の一番大きな意味合いは、魔女が今も存在し人々の生活に役立つことができる、ということを体現することだそうです…うーん難しい。
キキはおなじみ 『お届け屋さん』 宅急便を始めますが、様々な 『もの』 を運びます。時に突拍子もないものを頼まれたりします、そして 『もの』 を運ぶうち、宅急便がモノそのものだけではなく 『心』 も運んでいることに気付くのです。
大きな街での魔女に対する偏見、孤独、様々な困難に出会いながらも自分を見失わず前進するキキ。新しい出会い、友情、恋模様もあります。スタジオジブリの映画の原作として著名な本作ですが、映画とは異なる原作の世界観、キキの性格が新鮮です。
評価:(小学生の初めての読書に)