
東京で裏稼業のコンサルタントをする水原。彼女にはかつて掟破りの島抜けをしたという誰にも言えない過去があった。彼女が裏稼業で成功していくことがやがて 『地獄島』 の 『番人』 の耳に入ることとなる。彼女を追って 『地獄島の番人』 が動き始めた。生き抜くために島との対決を決めた水原は、島へ乗り込むことを決意する。『オール読物』 連載を単行本化。 


(5つ満点)かつて地獄を見た女がそこを抜け出し表(イヤ裏だー)社会で活躍するようになる。しかし彼女は常にその過去である 『地獄』 に恐怖を感じており、心の底では忘れ去ることができない。そこでその過去を断ち切るべく自らそこへ乗り込むが…。
前半はコンサルタントである彼女の元へ次々と訪れる訳アリのクライアントとの、水原の小気味よいやり取りが面白い。その中で徐々に彼女の 『過去』 に迫ろうとする人物達が近づいてくる。この辺りの展開もやはり秀逸。
そして 『地獄』 での決戦、ラストは続きがありそうな展開なのでもしかしたら続編があるかも?と期待してしまいます。
それにしても14歳から世間から隔離された 『地獄島』 で育った彼女が、どうしてこんな渡世術を身に付けたのかがちょっと出来過ぎな気がするけど…まぁいっか。