人々からお米を集めておきながら飢饉の時に分け与えてくれない王様に、褒美を聞かれたときに賢い娘ラーニは1つぶのお米をくださいと申し出た。そして30日の間毎日その米の数を倍にして欲しいと頼んだ。軽く引き受けた王様だったが。算数にまつわるインドの昔話を細密画風に描いた絵本。
(デミ)1942年アメリカ生まれ。ロードアイランドデザイン学校、インドのパロダ大学などに学ぶ。中国人の夫が語る昔話や様々なアジアの物語を中心に00冊以上もの子どもの本を出版している。緻密で力強いタッチの絵が特徴。絵本に 『皇帝にもらった花のたね』 など。
先日サークルのメンバーで一緒に購入した、教文館ナルニア国の児童書目録
『2009年に出た子どもの本』 に紹介されていた新刊。この教文館の目録、本当に素晴らしいです、毎年出版される膨大な児童書をナルニア国の児童書担当者がすべて目を通し、推薦文を添えて冊子にしたもので、定価1000円の価値十二分にあります!やはり餅は餅屋、本は本屋!この目録は会でも毎年みんな購入することでしょう、ご興味のある方はいつでも貸出可ですよ。
さて光村教育図書出版、ということでバリバリお勉強用のようにも思えますが、物語としても数学の考え方としてもよくできています。ケチな王様は米を米蔵にしまっておくだけで、飢饉の時もみんなに分け与えてくれそうにもない。そこで賢い娘ラーニは王様から
『1つぶのお米をください、そして次の日は前の日の倍の数のお米をください』 と申し出るのです。
最初の日は1つぶ、次の日は2つぶ。その次の日は4つぶ、その次の日は8つぶ。二乗ですね。そんな調子なら30日経っても大したことないんじゃ…と思っていたらなんと!だんだんとラーニに米を運んでくる動物達が増えてくる絵もゆかいです。このお話、ストーリーテリングで覚えたらどうかな?と思いましたが、
『21日目にはラーニがもらえるお米は…1,048,576つぶになっていたからです』 とか
『24日目には…8,388,608つぶになりました』 って数字を覚えるのがやっぱりかなり大変!?
数字が好きな小さい子ども、算数に興味のある小学生はもちろん、べき乗を習い始めた中学生にも使えるかも…と思った一冊です。どうしても中学校でブックトークしたいらしいです、私(笑)。
評価:




(5つ満点)
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