結婚7年、夫婦仲は悪くない。だけど何かが足りない気がする。それが子どもかもしれない、と子どもを作ろうと決心した妻 結子。思いかけずマンションが火災の被害にあったことで別居生活を余儀なくされるうちに、それぞれが恋人や周囲の大切な人々との生活も大切にしたいと思い始める。結婚とは、夫婦とは、既婚者の恋愛とは何か。それぞれの意味を問う。『小説新潮』連載を単行本化。
唯川恵はどの作品も悪くないのですが、コバルト色がやっぱり強いなぁといつも思います。あと群像(一人称がいっぱい)小説が好き。今回も一人称は何人も入れ替わります。それもいいけど、ほぼ1人に絞った
『燃えつきるまで』 あれが一番の秀作だと思っているので、唯川さん今度は主人公は1人の小説を書いてみたらいいんじゃないかなぁ。などといつも余計なことを考えております。
今回の作品から学習したことは、夫婦になる(結婚する)と言い訳も増えてきますが、明らかにこれは言い訳(ウソ)だな、と思っても突っ込まないこと、ということです。
この作品の夫婦、結子と士郎はさすがに2人とも四十路に入ろうという年齢のせいか、とっても大人です。明らかにウソくさい(笑)シチュエーションでお互いが言い訳をしていても、それならそれでいいか、と相手を許しているというか許容している。うーんエライ。見習わないと(笑)。
その言い訳は100万回、というのはちょっとおおげさですが100回くらいはしてますね、この作品の登場人物たち。夫婦は厳密に言って
『家族』 という単位ではない、と考えさせられる作品です。
と意味深な感想書いてみる(笑)。
評価:



(5つ満点)
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