まず村上氏は
『働くこと、就きたい仕事を見つけるには何が好きかを考えることから始まる』
と述べていますが、これを受けて某オンライン書店のレビューには 『好きなことだけ仕事にできるほど世の中は甘くないことを教えるべきでは』 という意見があります。しかしそれは違うと私は思うのです。
好きなこと。村上氏は文中で 『好奇心』 という言葉を幾度も用いています。好奇心は働く上では不可欠のものです、どんな仕事であっても、辛くて自分には合っていないと思う仕事でも、なぜ合っていないのか、そうならばどうしたら少しでも合うようになるか、前向きに取り組めるようになるか、といった改善策を考えようとする力もまた好奇心から来るのです。好奇心とは仕事に対して意識を傾け、常に最善策を追求する気持ちを持ち続けることであり、そうでなければどんな仕事に就いても長続きはしないでしょう。村上氏は一貫してこの気持ちの持ち方を 『好奇心』 と呼んでいるのです。
この本が出版されたのは2004年、3年前です。たった3年ですが世の中は日々進んでいます。巻末に 『明日への予習』 コーナーがあり4つの話題が挙げられていますが、そのうちITとバイオテクノロジーの分野については間違いなく、今この瞬間も日進月歩で進んでいることでしょう。
ITではウェブログと呼ばれるものが流行し、ウェブデザイナーは必要なくなる時代が来るだろう、と書かれていますがまさにこのブログがそのウェブログ(笑)。
またこの本では日本の伝統工芸や自衛隊など、なかなか知る機会がなくうまく尋ねられないが知りたい、という仕事についても詳細に書かれています。こうしたことも中学生向けに書かれている、つまり噛み砕いて記述されている、というのは本当によい企画だと改めて思います。
■ 私の好奇心
私は何が好きか?
【文章が好き】 作家
うーん夢のまた夢だわ。
【物を集めるのが好き】司書 学芸員
なんとドンピシャリ!やっぱり私のジュースのオマケ集め癖には意味があったのだ!と自分を正当化(笑)。
■ 第1王子の好奇心
テレビで探偵の仕事についてドキュメンタリーをやっており、 『探偵ってどうやったらなれる?』 すぐこの本を見せました(笑)。図書館から借りてすぐの日にも見たら?と勧めた時は全く興味を示さなかったのですが、その日は【探偵】の項を指でなぞりながら熱心に読む様子にしめしめ…。
納得したのか続けて関連項目も読んでいました。 【検察官】【裁判官】【弁護士】 …どれもなるのは大変でしょう。最近のドキュメンタリーやドラマの影響も大きいかと思いますが、何事についても興味を持つのはいいことですね。
この本は1冊買ってもいいかと一瞬思いましたが、出版が3年前ということで、多少情報が古いかも…そろそろ2007年版とか出ないかしらね?公式サイトもあり、スポンサーの広告がやや多いですがこちらからもかなりの情報が得られるので、まぁいいかなと思います。
お子さんをお持ちの親御さんは必読です、お子さんと一緒に読んでみると楽しいです。