幼なじみの葬儀屋 森野が紹介してくれた病院で清掃員のアルバイトをする大学生の僕は、その病院に伝わる都市伝説を耳にする。死を目前にした患者の前だけに、死ぬ前に願い事を一つだけ叶えてくれる黒衣の男が現れるというものだった。僕は思いもかけずその伝説を引き継ぐこととなるが。
(本多孝好)1971年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。『眠りの海』 で小説推理新人賞を受賞。主な著書に 『真夜中の五分前side-A/side-B』 『チェーン・ポイズン』 『Fine days 恋愛小説』 など。
ファンタジーと思わせて実は現実的な風刺の効いた話。本多孝好は割と毒のあるタイプとみました。うわべだけのストーリー展開ではないところが非常に面白いです。
末期患者一人ひとりの
『願い』 、その表向きの言葉の裏に必ず潜んでいる隠された本音。その本音の描き方がまたいいですね。願いを叶えてくれる
【仕事人】 なる人物が自分以外もいるのかいないのか…そこに迫る僕の心情が巧みに読者にも伏せられているところがまた上手い。
新作
『チェーン・ポイズン』 も楽しみです。
評価:




(5つ満点)
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