東京に住む彼氏と同居するため上京する小松奈々、ミュージシャンとして成功するため上京する大崎ナナ、2人のNANAは新幹線の中で出会う。その後ひょんなことから奈々とナナは同居することとなり、二人の生活が始まった。ナナの所属するBLACK STONESとナナの恋人の本城蓮が所属するTRAPNEST、2つの人気バンドのメンバーたちを交えて物語は進んでいく。
(矢沢あい)1967年兵庫県生まれ。漫画家。市立尼崎東高校卒業。大阪モード学園中退。主な著書に 『ラブレター』 『天使なんかじゃない』 『ご近所物語』 など。
巷で話題のNANA、映画化もアニメ化もされたNANA、ついに友人のおかげで21巻まで一気読みができました。それにしても昔は20巻位2日で一気読みが軽かったはずなのにいつからこんなにマンガが読めなくなったのだろう…不思議だ。ということでゆっくり拝読させていただきました。
読む前から
『小松奈々(ハチ)がムカつきます』 という意見をあちこちで見ていたので、好かれるNANA(ナナ)と嫌われ者のNANA(ハチ)の物語なのね、と思っていたらちょっと違いました。どちらのNANAもみんなのアイドルです。でも小松奈々の方はあまりにも他力本願で人生生き抜いているのでムカつくという意見が出るのも納得です、ちなみに私も小松奈々はキライ(笑)。かといって大崎ナナが好きかというとそういうわけでもなく、20代前半だというのに芸能界の真っ黒い面を知り尽くし、そこで生き抜こうとしているブラスト(※バンド名)やトラネス(※これもバンド名)の皆さんに痛々しさを感じつつ現実味を感じることができない、というあまりにも大人な視点でしか見ることのできない自分に、ちょっと寂しさを感じてしまいます。
華やかすぎる芸能界と、その裏の厳しすぎる現実に(薬物中毒とか他人依存症とか)、気が滅入りつつもちょっと大げさでは?と突っ込みを入れたくなってしまう…。でも登場する女の子達が可愛いからまぁいっか、さすが少女マンガの世界。少女マンガはこういう華やかさがないとねぇ。奈々が生んだ子ども達が妙にオトナなのも、ぜってーありえねーと突っ込み入れたくなりますが、そこはマンガだと抑えて抑えて。そして展開もジェットコースターで、さすが少女マンガ、ともう
『さすが』 しか言ってないみたいなのですが、今後の展開もやはり見逃せないなと思ってしまう辺りが、やっぱり
『さすが少女マンガ』 。この引っ張り具合の見事さは見習いたい技術であります。
その他にもナナやブラストメンバーのパンクファッションが非常に勉強になりますね、パンクの人ってやっぱりズボンにヒモ?付けてるんですね、あれ何の意味があるでしょう?速く走れないじゃんね?
ナナはいつもヴィヴィアン・ウエストウッドの服着ていて可愛いですね、嶽本野ばらですな。
と、なんだかんだ言っても続きが気になる一冊です。
評価:



(5つ満点)
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