山伏の修験場として世界遺産に認定される玉倉神社に生まれ育った泉水子は宮司を務める祖父と静かな二人暮らしを送っていたが、中学三年になった春に突然東京の高校への進学を薦められる。しかも父の友人で泉水子の後見人の相楽雪政は、山伏として修業を積んできた自分の息子 深行を下僕として泉水子に一生付き添わせると言うのだ。それには泉水子も知らない自らの生い立ちや、家系に関わる大きな理由があった。
(荻原規子)東京都生まれ。早稲田大学卒業。児童文学作家。ファンタジー作品を多く執筆。 『空色勾玉』 で日本児童文学者協会新人賞、 『薄紅天女』 で赤い鳥文学賞、『これは王国のかぎ』 で産経児童出版文化賞、 『風神秘抄』 で小学館児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞を受賞。主な著書に 『西の善き魔女』 『白鳥異伝』 など。
一度は荻原規子を読んでみなければ、と思っていたところへ新しい児童文学ファンタジーシリーズが刊行、ということで読んでみました。中学生女子という読者層を強く意識したファンタジー、という前提で読めばこれはこれで魅力的な物語と言えなくもないが、いかにもシリーズ(続く。んだよねきっと?)を意識した展開で終わるのも、父親は米国シリコンバレーへ単身赴任というか娘を置いて行っちゃった、母親は公安委員会だから常に住所不定の連絡不能、という設定はあまりに空想じみているというか…公安の人だからって住所不定じゃないと思うけど?いいのかこんなこと書いてて。
それでも主人公本人は冴えない女の子でありながら、カッコいい父親代わりの後見人がいたり、その息子もカッコよくて主人公の騎士(ナイト、ね)として登場、とくればYA世代の女の子読者には十分なのかも?
『守られるべきヒロイン』 っていうのはあまりにも前時代的な気もするけど。
前髪を切ったら周囲の環境が激変した。とかいう展開が中学生女子は好きなんだろうなー。とかオバちゃん視点で読んでしまった。姫神と山伏らの関係についてもっと突っ込んで欲しいので、続巻待ってます。
評価:



(5つ満点)
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