オーケストラでチェロ奏者だった大悟は楽団の解散により失業、妻を連れ郷里 山形県酒田市へ戻ってきた。仕事を探すうち成り行きで亡くなった人を棺に納める職業である 『納棺師』 の職を得るが、妻や幼馴染はそのことに嫌悪感を示す。大悟自身も自信の持てぬまま仕事を続けていたが、様々な別れと向き合ううちに彼は少しずつ変化を遂げていく。葬儀という儀式を通じて人の生死について見つめなおす。重いテーマをギャグを盛り込み見事に表現。本年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
アカデミー賞受賞後は毎回満席でとても見られない状態になったそうで…先に行って来てよかった。秋口に公開された頃は特に興味がなかった本作ですが、友人に勧められ
『ヒロスエはどうでした?』 と聞くと
『いや、途中からヒロスエってことが気にならなくなるくらいいい映画だから、行ってみて。』 という友人のコメントが面白くて、こりゃ見なきゃと思ってました。でリバイバル上映が始まり早速行ったわけです。
ヒロスエ。彼女が現実的な思想の妻役ってところがある種、逆説的演出を狙ったのでは?とか思いましたがいかがでしょうか。
展開とそのテンポ、ところどころ絶妙に織り込まれたギャグシーン(笑い)、すべてが小気味よく進むバランスの取れた映画です。死とは、故人との想い出を振り返るための必要なステップだということを教えてくれます。
今回受賞となったのはこの、分かりやすさが一番の理由ではないでしょうか。難しいテーマと思われがちな
『死』 。それは決して難しいことではなく、心のまま素直に故人との想い出に浸ることが一番の
『おくり』 の気持ちである。ということではないでしょうか。
邦画の素晴らしさが世界に認められ、喜ばしいことですね。
評価:





(5つ満点)
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