友人の達雄役、山本耕史も良かった、カッコよくなってるし!弁護士の役所広司が公判後に毎回喫茶店で 『今回の裁判の狙いは…』 と解説してくれるシーンが、映画を観ている私達にも解説となり非常に分かりやすく良かった。同じく徹平の弁護にあたる弁護士事務所の若い女性弁護士役の瀬戸朝香が、始めは痴漢事件に嫌悪感を示していたのが、徐々に共感し弁護士として成長していく様もいい。
同じく痴漢冤罪で公判中の佐田氏とその支援グループを達雄がインターネットで検索し、彼に相談に行き色々と助言をもらい助けてもらう過程も現実味がある。
そして 『人は人を裁けるのか?』 今回の映画のように、一審がたった1人の裁判官の判断(心証?)にかかっているのだとしたら、今取り沙汰されている裁判員制度もやはり意味があるかも?とふと思いました。
拘置所の様子がよく分かったのも興味深かったです、被疑者だというのに全くの犯罪者扱い、狭い鉄格子の部屋に数人で押し込められ番号で呼ばれ、取調べの際は手錠に腰縄をかけられ護送される。その日々の中で徹平は心をすり減らしていくのは当然だろう。
あんな所に4ヶ月、しかも保釈金200万円!考えただけでもぞっとします…。
法治国家とは?に直接切り込む周防監督の強い意志を感じた、いい映画でした。日々普通の幸せを求めて普通に暮らすことをも奪っていく 《冤罪》 決して他人事ではありません。