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それでもボクはやってない

soredemobokuha.jpgまさに、裁判。
平凡に暮らしていただけなのに、いつの間にか自分が犯罪者として扱われ、裁判で 『被告』 と呼ばれる立場になってしまう。

満員電車で痴漢に間違われた徹平は、あれよあれよという間に警察署の拘置所に入れられ 『否認を続けたがために』 4ヶ月も拘留される。

『続けたがために』 という表現はもちろんおかしい。徹平は無実なのだから否認をするのは当たり前だ。しかし警察側も取調べをおこなう検察側も徹平の言い分に耳を傾けることなく、気が付いたら起訴されていた。それが 冤罪

弁護士役の役所広司、今回も存在感抜群でとても良かったのです。ちょっとオタクっぽさを出している主人公の徹平を演じた加瀬亮も、イマドキの青年ぽさをよく表現できていてとても良かった。

司法制度、裁判制度とは何か?各回の公判をはしょることなく丁寧に描いた本作の流れはとても分かりやすく、訴えたいことが非常によく伝わってきた。これだけの綿密な製作ならば確かに3年はかかっただろう…納得。あえて司法制度の在り方に切り込む表現に、監督の強い意志を感じました。

評価:(5つ満点)

友人の達雄役、山本耕史も良かった、カッコよくなってるし!弁護士の役所広司が公判後に毎回喫茶店で 『今回の裁判の狙いは…』 と解説してくれるシーンが、映画を観ている私達にも解説となり非常に分かりやすく良かった。同じく徹平の弁護にあたる弁護士事務所の若い女性弁護士役の瀬戸朝香が、始めは痴漢事件に嫌悪感を示していたのが、徐々に共感し弁護士として成長していく様もいい。

同じく痴漢冤罪で公判中の佐田氏とその支援グループを達雄がインターネットで検索し、彼に相談に行き色々と助言をもらい助けてもらう過程も現実味がある。

そして 『人は人を裁けるのか?』 今回の映画のように、一審がたった1人の裁判官の判断(心証?)にかかっているのだとしたら、今取り沙汰されている裁判員制度もやはり意味があるかも?とふと思いました。

拘置所の様子がよく分かったのも興味深かったです、被疑者だというのに全くの犯罪者扱い、狭い鉄格子の部屋に数人で押し込められ番号で呼ばれ、取調べの際は手錠に腰縄をかけられ護送される。その日々の中で徹平は心をすり減らしていくのは当然だろう。
あんな所に4ヶ月、しかも保釈金200万円!考えただけでもぞっとします…。

法治国家とは?に直接切り込む周防監督の強い意志を感じた、いい映画でした。日々普通の幸せを求めて普通に暮らすことをも奪っていく 《冤罪》 決して他人事ではありません。

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