混沌とした社会を生きる
ジブリファンを自称する私は、前評判に惑わされず一応観ることにしていた本作。第1王子は観ないと散々言っていたので東京で1人で観ましたが、やはり1人で観て良かったです。というのも第1王子にはつまらない内容だと思うので。
スタジオジブリはもはや、大人向けの映画しか作らなく(作れなく)なってしまったのでしょうか?監督は宮崎駿氏の息子である宮崎吾郎氏、映画としての完成度はいいと思いますが、噂では宮崎駿氏は試写の途中で席を立ったとか。それはホントか…しかもそのシーンを知りたかったり。
アニメーションの技法や美しい映像はやはりスタジオジブリ、国内外での高い評価に今回も値します。では何が不満か。
まずはストーリー。話として
『混沌とした社会の中で人はいかに正道を生きるべきか』 ということを言いたいのは分かるが、どうも中途半端。まず賢人ゲドの位置付けがハッキリしない。大賢人だそうだが、大賢人って何?魔法使いだそうだが魔法使いって何?その辺から分からない。
また自分自身の悪の部分(影)に怯えるあまり、実父を殺害してしまう王子アレン、これまたよく分からない。悪の部分と対峙するならともかく、飲み込まれそうになり、ついに終わりだーという寸前で助けてもらう役。何なんだ?
そしてテルー。彼女は…まぁ有体に言って人ではないのですが、それはどういう意味?ううううん…。
原作を読んでない私が言うのもなんですが、ゲドが自身の才能(魔法使い)に目覚め、成長していく様を描くのならばまだ分かりやすいのですが、ゲドは既に大賢人という悟りを開いている状態。では主人公はアレンか?というとこれまた上記の通り中途半端。
なので何だか消化不良といったところです。
この映画でいいと思った点は、混沌とした街の様子を描いた場面と、悪い魔女クモの声を演じた田中裕子、あと竜の飛翔感ですかね。ジブリは飛翔感だけ、と言われないようにもうそろそろ内容で頑張って頂きたいのですが…。
とにかく子ども向けではないことは確か。いいのかそれで。
評価:



(厳しいけど特記する点がない)
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