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マトリックスレボリューションズ

img20050821.jpgマトリックスの完結に不満が残る人が多い、と鑑賞前に読んだのですが果たしてそれはどうでしょう。
結果としてザイオンは救われたがそれはOS(アーキテクト)の思惑(プログラム)通りであった。だから不満だ、と言う人が多いということだと思いますが、視聴者が求めていたのは本当にネオがOSを破壊することだったのでしょうか。

ネオはやはり 【修正プログラム】 でした。初めからOS内に潜むバグである 『エージェント スミス(の暴走)』 を消去するために組まれたプログラムだったのでしょう。物語ではそれを途中から視聴者に気付かせることで、この映画全体のテーマを提示しているのだと思います。

ネオがプログラムであることを明示する部分は前作 『リローデッド』 の最後から本作の最初にかけてスミスがザイオンの戦士に寄生することや、ネオがプラグインしていないにも関わらずマトリックス内に進入し、『地下鉄の駅』 に落ちてしまうことでもハッキリします。ただ今回の 『トレインマン』 という地下鉄オヤジは前作の 『キーメーカー』 ほど活躍しないのがちょっと残念です。

評価:(5つ満点)

今回のシリーズで興味深いのは 【世界=マトリックス】 という図式です。ネオは当初マトリックスにつながれていた1つの 『部品=人間』 に過ぎなかったがある日 『使命』 を受けて覚醒した。というところから物語が始まります。ネオがザイオンの戦士と出会い様々な技術や知識を身につけたのも結果としてネオが 【修正プログラム】 としてOSのプログラム通り 【実行】 された、と見ることもできます。

ただここで焦点を合わせるべきなのはそのストーリー結果よりも 【マトリックス】 の世界観ではないでしょうか。第1作でネオはモーフィアスに 【マシンは電源の供給源を必要とするため人間の出す『熱』に着目した】 とマシンが作り出した 【マトリックス】 についてのレクチャーを受けます。確かに人間の熱はすごい…王子達の寝ている時の熱でも発電できそうな勢いです。

OSの目的は 【OS自身を正常に動作させる】 こと。これだけです。何のために動かすのか。ということは考えない、機械だから。単純明白です。
#Windowsも少しは見習って欲しい位だ。
しかしながら機械につながれた人間達には 【自分の意志】 がある。だからザイオンの戦士達は戦うのです。

しかし第2作 『リローデッド』 では少し趣が変わってきます。
キーメーカー始め謎のフランス人(名前失念)など自らを 【プログラム】 と名乗る人物が続々登場してきます。第1作でザイオンの戦士達の味方として登場した予言者(オラクル)さえも自身を 【プログラム】 だとカミングアウト。一体プログラムって何?それは人間もしくは他者(マシン)が作り出した物ではないのか?とネオと共に視聴者も考えます。

リローデッドは 『続く』 だからイマイチ、と言われていますが私はそうは思いません。なかなか考えさせる作品だと思います。トリニティとキーメーカーのバイク逃走もモーフィアスの日本刀ブンブン振り回しも結構楽しかったし。

そして本作 『レボリューションズ』 で最初に出てくる 『地下鉄』 これが 【プログラムとは何か】 の最大のキーになっているのです。

駅でネオはサティという少女のプログラムとその父母に出会います。
#この少女自身のプログラム内容が本作一番のキーだと思うけど最後までよく分からなかった。誰か教えてください。
彼女の父親(もプログラム)はサティを安全な所へ逃がすために地下鉄に乗せると言います。理由は 『目的のないプログラムは(OSに)削除される』 から。
『あなたはプログラムなのに娘を助けたいという気持ちを持っている?』
ネオは問います。これに対し父親は
『【愛】というのはただ言葉に過ぎない。でも私が娘を思う気持ちを【愛】というならば、確かにそうした感情は私の中にある。』
とか何とか言います。

これが今回のマトリックスシリーズのテーマでは。
私達は 【感情】 というものは人間特有の物であると思っています。でもマトリックスではOSであるアーキテクト始めオラクルやスミスそして他のプログラムにも 【感情】 が自然と生まれてきてしまっています。だからスミスは暴走しOSはネオを起動させオラクルはそれらの流れを予言する。そしてプログラムであるネオ自身もトリニティと出会い愛し合い、またザイオンの人々と触れ合い共に闘うことを決意する。それはすべてOSのプログラム通りではなく、ネオ自身の 【感情=意志】 で決められたことなのです。

だから最後、ネオが約束通りスミスを消去するとマシンはザイオンへの攻撃を止め帰っていくのです。それはプログラム通りではなくネオの意志との 『約束』 だから。

つまりですね、機械が進んでいくと 【意志】 を持つだろう、ということです。機械が進んでついには人間を自分達の都合のよいように作り変えてしまった(プラグイン用の穴を穿けたり)。しかし人間は自分達の意志でマトリックスから目覚めた。そしてザイオンに集う。どんなに都合のよいように人間を作り変えても人間自身の意志は作り変えることはできない。それは人間の意志は初めから自由だから。

とここまで来て怒涛のように日本のアニメーションがフラッシュバック。中でも特に 『似ている!』 と思ったのは 『風の谷のナウシカ(原作)』 です。それについては別項にて。

物語はネオ自身が自分がプログラムであることに徐々に気付き、その上で自分は何をするべきか、愛するトリニティを守りたいこの気持ちは本当なのか自問自答する、というところが見ていて気の毒。こうして悩んでいる間にもマシンのザイオンへの攻撃は刻一刻と迫ってきており、ザイオン軍は戦う準備におおわらわ。

ザイオンの様子もまたSF映画ファンの私には非常に興味深い仕上がりです。ガンダムみたいなマシンに戦闘員達が乗っかりバシバシ打ちまくる。キャプテン ミクニの鬼気迫る勢いやお気に入りのキャプテン ナイオビの大活躍がたくさん見られて嬉しいのですが、前作まであんなに大活躍だったモーフィアスが本作ではほとんど活躍せず、すっかり脇役でちょっと悲しい。トリニティも途中で死んじゃってやっぱり悲しい。でもネオは単身ザイオンを救う。

最後のシーンでオラクルが昇る朝日を見てサティに 『あなたがやったのね』 と問う場面があります。サティは 『ネオのためにね』 と答えますが、サティはお天気調整プログラムなのでしょうか?違うよねぇ…。
人間は機械ではないが機械もまたただ機械ではない。物を大切にしましょう、というのがこのシリーズのテーマですかね。
#違います。

マトリックスファンの方のご意見お待ちしております。

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